就活支援ジャーナル

send 最新NEWS&TOPICS 『就職活動に役立つアレコレ』就職活動をめぐる・社会動向をさぐる

2015年12月11日 金曜日

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 文部科学省と厚生労働省は11月20日、「平成27年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)」の取りまとめ状況を発表した。発表によれば、大学生の就職内定率は66.5%。前年同期比1.9㌽減で、内定率が悪化するのは実に5年ぶりのこととなった(図1)。
 内訳をみると、男子学生は65.8%で1.8㌽減、女子学生は67.2%で2.2㌽減と、女子のほうが男子よりも下げ幅が大きかった。また、文系・理系別では、文系は65.9%で前年同期比1.4㌽減、理系は69.2%で同様に4.3㌽減と、理系の減少幅が目立った。
 就職内定率の低下を招いた最大の要因は、就職活動時期の繰り下げにあるとの指摘が相次いでいる。また、外資系企業などを中心に、経団連に加盟していない企業等が、春先から採用活動を開始したことも混乱に拍車をかけたようだ。
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 経団連の榊原定征会長は11月20日、平成29年3月に卒業予定の大学生らを対象とする来年の就職活動について、選考解禁を6月1日に変更することを正式に決定した。一方、会社説明会の開催は準備不足との判断なのか、現状維持と小幅な変更にとどまった。
 「猫の目のように変わる」と揶揄される就活スケジュールだが、ここ数年は特にその印象が強い。例えば、平成26年度(平成27年3月卒業)までは、会社説明会等の広報活動開始が大学3年生の12月で、選考活動開始が大学4年生の4月だった。しかし、4月開始だと授業を欠席する学生も多数見受けられ、「学業に支障が出る」として、経団連が夏季休業に当たる8月スタートへと舵を切ったのが今年のスケジュールだ(図2)。
 しかし、「内定日」の10月1日まで2カ月間しかないため、企業間の競争が加熱。同時に、経団連未加盟であるため束縛を受けない外資系やIT系企業などが先行したことに加え、一部加盟企業にも「フライング」が横行するなど、事態は混沌とした。
 実際には夏季休業中に卒業論文(研究)に追われる学生も多く、結果、就職活動の長期化などの問題が表面化し、10月15日、日本商工会議所(本部東京・千代田区)が「6月解禁」を提言し、経団連も同意。4・5月では会社説明会から日が浅く、7月は大学の期末試験シーズンであることがその理由だというが、就職活動の本格化が予測される6月以降も授業や期末試験とのバッティングが懸念されている。また、公務員採用試験や教育実習との重なりも十分に考えられるため、より効率的な時間管理が明暗を分けそうだ。経団連は指針の中で、土・日曜日や夕方に面接を実施するよう企業に配慮を求めていくという。
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 大学4年生等を対象とする調査(10月9日〜11月6日、内閣府実施)では、就職活動時期の後ろ倒しによる「よい影響があったと思うこと」(最大3つまで選択)は「特にない」が45.4%でトップだった。次いで「主に大学3年生時の学修時間をより多く確保することができた」が19.7%、「自身の進路のことをよりじっくりと考える時間を持つことができた」が19.3%と続いた。
 一方、「就職活動中に課題になったこと」(最大3つまで選択)については「就職活動の期間が実質的に長期化し、負担が大きくなった」が57.0%と最も高く、「卒業論文(研究)の時期と重なり、論文(研究)のための時間が十分に確保できなかった」46.8%、「主に大学4年生時の授業と重なり、授業がおろそかになった」35.9%など、学業優先目的のスケジュール変更だったが、結果としてほとんど機能していない実態が浮かび上がった。
 2年連続の採用・就職活動スケジュールの変更と、異例づくめの就職戦線。今度こそ本当に大丈夫なのかと不安視する声も後を断たない。大切なのは、スケジュールがどうなろうと、自己分析や企業・業界研究を早めに進め、自分にベストにマッチングする企業を、大手・中堅・中小の規模にとらわれることなく見つけ出すことなのだろう。
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