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send 新型コロナ禍による異例ずくめの就職活動戦線予測される経済減速の中、志望業界を複眼的に絞り込む

2022年5月27日 金曜日

令和3年3月卒業予定の、いわゆる「21年新卒」の大学生等を対象とする企業の採用活動が解禁されてからすでに3カ月が経過した。志望企業から内定を得て就職活動を終了した人もいれば、現在も活動を続けている人もいることだろう。

新型コロナウイルス感染症拡大という"超逆風"の中、就職活動を継続中の就活生のみなさんに、最新トピックスと共にエールをお届けする。

◆新型コロナ直撃の就活市場オンライン活用の「第1世代」

本年1月、国内で新型コロナウイルス感染症患者が初めて確認されて以降、新型コロナが社会全体に大きな影響を及ぼしている。4月には政府から緊急事態宣言が発令され、一度は感染者数の抑え込みに成功したように見えたものの、7月以降は再び感染者数が増加しているのが現状だ。

そうした社会的混乱が大学生の就職活動や企業の採用活動にさまざまな形で影を落としている。大学新聞社のように、就職情報を提供する組織や企業等が支援・運営する「合同企業説明会」の開催が次々と難しくなり、個別企業による独自会社説明会も中止が相次いだ。さらに、4月以降の採用活動が鈍化したり、あるいは採用活動自体を一時的に中断したりする企業も少なからずあった。「21年新卒」の大学生の就職活動がどうにかスタートしたのは、一時的にせよ感染拡大が落ち着いた6月からだったと言えそうだ。しかし、依然として状況は厳しい。

例えば、「航空」のような人気業界が選考自体を突如としてすべて中止したり、メガバンクが1割から2割程度採用数を減らしたりした。また、密閉・密集・密接の「3密」を防ぐ観点からオンラインのみで説明会や面接が行われることもごく当たり前の光景となっている。

オンラインの活用に関しては、企業までの移動時間や交通費がかからず、遠方にあったとしても参加が比較的容易であるというメリットがある一方、画面越しであるために企業や企業の人事・採用担当者の雰囲気を肌で感じにくいというデメリットもある。また、通信環境の準備や接続トラブルの対処は自分で行わなければならないことも懸念材料の一つだ。

◆さまざまな制約がついた就活コロナ禍による業界の明暗鮮明に

通常期に比べ、対面型の企業訪問やOB・OGなどに対する先輩訪問等の機会が著しく少なくなった。企業側の今後の採用活動が見通せなかったり、予測が不可能だったりするため、不安を訴えたり、戸惑ったりしている学生が多いと聞く。気がつけば、すでに就職戦線も後半戦というのでは、あまりに厳しい。結果、9月に突入したこの時期に内々定を得られていないとすれば、アプローチの仕方や戦略を見直す必要があるのかもしれない。仮にそうであれば、まず考えたいのが業界の絞り込みをどうするかということだろう。

誤解を恐れずに言えば、新型コロナウイルス感染症が"追い風"になっている業界があるのもまた事実だ。例を挙げれば、食品・スーパー業界やゲーム業界、インテリア業界などで、いずれも感染症予防の観点から外出自粛が社会的に求められ、自宅で快適に過ごすニーズが高まったことが要因とされている。そのほかにも、リモートワークの普及で特需が生じた情報・通信関連業界やマスク・アルコール除菌などの製造・販売を手がける企業・業界なども業績が伸びている。

一方、大打撃を受けたとされるのは、既述の航空や金融のほかには、観光・ホテル・イベント・飲食などの業界だ。飲食業界に関しては宅配事業が普及しつつあるものの、いずれも外出してサービスを受けるのが基本であり、厳しい状況に直面している。しかしながら、これらの業界は社会にとっては必要不可欠であることから、各自治体は休業や時短営業に協力した事業者に対して助成金を支給したり、政府が「GoToキャンペーン」を主導したりするなど、救済に向けた取り組みも行われている。業績の悪化を理由に、採用数を削減する企業がある一方、意欲的に新卒人材の獲得に乗り出す企業もあるなど、"コロナ禍だから就職環境が悪い"とは一概に言えないのが実情だ。

◆未内定者はキャリアセンターを活用自己分析と業界研究の仕切り直しを

今春3月、新しく卒業した大学生の就職率は、4月1日現在98.0%(厚生労働省・文部科学省、前年同期比0.4㌽増)で、調査開始以降の同期比較で過去最高を更新したというが、この状況が続くかどうかは不透明だ。新型コロナウイルスの拡大とは無関係に、すでに就職市場は退潮傾向にあるとの指摘もある。今後、就活を実りのあるものにするためには、キャリアセンターを上手に活用することが大切だ。現在は首都圏の大学や大規模大学を中心に感染拡大を防止する観点から、構内への立ち入りに制限をかけている学校が多く散見されるが、教職員は交代制などで出勤しているケースは少なくない。ぜひ、メールや電話、オンラインなどを活用しながら、就活に関する悩みを相談したり、内定獲得に向けたアドバイスを受けたりしよう。例年、秋から冬にかけて採用活動を行っている企業は多数あるため、気持ちを仕切り直し、しっかりと準備をした上での再始動を心がけたい。

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