16歳社長が語る起業への道のりと今後の展望
2015年3月13日 金曜日
――起業に至った背景をお聞かせください。
株式会社GNEXのルーツは、僕が中学2年生の時に立ち上げた学生団体にあります。プログラミングができる中学生と高校生が中心となって、スカイプでミーティングを行いながら新しいビジネスのアイデアを模索し続けました。
当時は起業についてはまったく考えていませんでしたが、2011年8月、株式会社サムライインキュベート(本社東京・品川区)と一橋大学(東京都国立市)が共催したビジネスプランコンテストにおいて、当時考案したウェブサービスのアイデアで、審査員特別賞をいただくことができました。同社の榊原健太郎代表取締役社長に500万円の出資をしていただくことができ、それをきっかけに会社の立ち上げを意識し始めるようになりました。
ただし、法律上15歳になるまでは印鑑登録を行うことができないため、実際にスタートアップしたのは中学3年生の終わり頃でした。それまではビジネスモデルのブラッシュアップを図り、やがて現在のクラウドファウンディングサイト「BridgeCamp」を正式にリリースすることができました。
――15歳という非常に早い起業となりました。
両親にはとても反対されました。本来この年齢で行うべきことではなく、取らなくても良いリスクは取らないべきだという考えだったのだと思います。
それでも15歳というタイミングで起業を決意したのは、ビジネスプランコンテストを通して出資金を手にし、リスクを上回るチャンスが得られたからです。万一、事業が失敗しても、若いうちならやり直しがききます。逆に、このチャンスを見送って普通の高校生活を送ることのほうが、あくまで「僕にとっては」ですが、より大きなリスクなのではないかと考えました。
――事業内容のアウトラインをご説明ください。
BridgeCampは若者がやりたいことを提案し、社会人や企業が支援をするクラウドファウンディングのプラットフォームです。
このウェブサイトでは、「事業を起こしたい」「こういうイベントをやりたい」と志向する中高大学生がプロジェクト案を提示し、インターネットを通じて不特定多数の個人または法人から、資金はもちろん、プロジェクトの実現に必要となる人材や物資、活動スペースなどの支援を募ることができます。
いまの学生・生徒は、アイデアを考えていることがあってもそれを発信する場があまりに少ない環境にあります。BridgeCampはそうした状況に一石を投じ、新しいことを生み出すきっかけとなり得るのです。
支援者の方々にも、もちろんメリットはあります。プロジェクトの支援を行うことでリターンを受け取ったり、優れたプロジェクトを立ち上げる有望な人材に早期から深く接触を持つことができます。
――進路選択の重要なポイントを挙げてください。
大切なのは自分のやりたいことを明確にした上で、チャンスが目の前に来た時に、自分が置かれた環境をしっかりと冷静に見極め、考えた上で選択することです。そして、もし「行くべきだ」と思うのならば勇気を持って飛び込むことだと思います。そのように、自分のキャリアを自分でコントロールできる状態にして進路の選択を行っていくことが重要なのではないかと考えています。