福祉業界特集 日本を支える福祉人材~福祉サービスの充実の推進~
2019年7月2日 火曜日
ここ数年、介護・福祉業界の〝人手不足感?は強くなる一方だ。特にいまから8年後には、およそ37.7万人もの人材が不足すると指摘される「2025年問題」の到来が懸念されている。本特集では、介護・福祉業界で注目を集める6法人・施設・企業等にフォーカスを当て、その特長と魅力を一挙紹介! 社会的なニーズに合わせて、さまざまな就業形態と活躍場所が存在する介護・福祉業界の実情に迫ることで、キャリアデザインを考える一助として欲しい。
■急進する日本の高齢化
内閣府が公表する『平成29 年版 高齢社会白書』によると、日本全国の総人口1億2,671 万人( 男性6,166万人、女性6,505 万人)に対し、65 歳以上の高齢者人口は3,515 万人(男性1,526万人、女性1,989 万人)に上り、その割合は27.7% だった。
■人材の需給ギャップ拡大
厚生労働省が発表した「2025 年に向けた介護人材のかかる需給推計(確定値)について」によれば、25 年の需要253 万人に対して、供給は215 万人で、37.7 万人の需給ギャップが見込まれている。これを埋めるべく国では、福祉サービスの供給体制の整備および充実を図ろうとして、「社会福祉法等の一部を改正する法律案」による制度的対応を実施。さらに都道府県が地域医療介護総合確保基金を活用して実施する具体的な取り組みなどを含め、施策の全体像を取りまとめ、25 年に向けた取り組みを総合的かつ計画的に推進する。
一方、総務省の研究会の一つ、自治体戦略2040 構想研究会が今年4 月、「第一次報告」を取りまとめている。40 年にかけて一都三県を中心に高齢者(特に85歳以上)が増加し、ほとんどの都道府県で医療・介護ニーズが高まるものと見込まれており、より一層介護人材に対する需要は大きくなるものと考えられている。
■柔軟なキャリアパスが魅力
福祉業界は、間口の広さと柔軟性が特徴で、資格未取得・未経験であっても、実際に施設で働きながら、例えば国家資格である介護福祉士といった資格取得を目指せる機会が用意されている場合が少なくない。施設や企業等で介護に従事する実務年数を積み上げることで、国家資格等の取得をフォローするシステムがあるため、未経験であっても充実した研修制度やサポート体制のもと、安心してキャリアを積み上げていくことができそうだ。
介護や福祉の仕事は人との関わりあいが基本となる職業だ。施設やサービスを利用する高齢者などの食事や着替えの援助など、身の回りの世話が主な業務となり、仕事を通して、利用者はもちろん、その家族から感謝される場面も少なくない。今後の日本を支える福祉業界。決して楽な仕事ではないが、それを超えた先の大きなやりがいがある仕事であることは確かだろう。