就職情報サイトのグランドオープンまで残り約1カ月!万全の準備を整えて〝スタートダッシュ〞を決めよう!!
2020年5月26日 火曜日
2月に入り、2020年3月卒業予定の大学生等の就職活動が目前に迫ってきた。3月1日になれば、企業は就職情報サイトを中心にエントリーや説明会の受付を開始し、いよいよ本格的な就活戦線が始まる。今号では、現在の就職環境を概説すると共に、〝スタートダッシュ〞を決めたい就活生のみなさんに有益な情報をお届けする。
大学4年生の内定率は過去最高売り手市場でも油断はできない
厚生労働省と文部科学省が共同で調査し、1月18日に公表した「平成30年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)」を見てみよう。発表によれば、大学生の就職内定率は87.9%(前年同期比1.9㌽増)で、平成9年3月卒の調査開始以降、同期比で過去最高を更新したことが明らかになった(P8に詳報)。
企業の採用意欲は近年特に旺盛で、就活生たちにとっては喜ばしい〝売り手市場〞とも呼ばれている。ある調査によると、2013年3月卒の求人倍率は1.27倍だったが、19年3月卒は1.88倍となり、就職環境は大きく好転している。
売り手市場である要因の一つとして、日本経済の「人手不足」が挙げられる。企業側としては、若い労働者を確保し、長期的な視野で育成することによって、会社に貢献してもらうことが狙いだ。優秀な人材を確保するために、労働環境や賃金・待遇の改善に取り組んでいる企業も決して少なくない。採用市場が活発になっているいまだからこそ、自分に適した企業を冷静に判断して欲しい。
ただし、現状を楽観視するのは危険だ。依然として大手企業や有名企業等には学生が殺到し、第一志望の企業から内定を得るのは簡単ではないということは理解しておきたい。
就活のスケジュールは前年通り6月前に選考する企業には留意
就活戦線はどう動くのか。ここでは、スケジュールについて確認しておこう。2020年3月卒業予定者の採用・就職活動スケジュールは「2019新卒」と変わらず、卒業・修了年度に入る直前の3月1日に企業説明会等の広報活動が解禁され、6月1日以降に採用選考が開始されることに決まっている。3月1日に就職活動が解禁されると、個別企業の採用情報がウェブサイト上でオープンになり、就職サイトを介した広報活動が一斉に展開される。
留意しなければならないのは、「3月にエントリー受付」ということは、それよりも前に「業界研究」や「企業研究」を終えている必要があるということだ。「選考解禁」は6月1日であるから、それまでの3カ月間に、企業が独自に行う「会社説明会」や「企業セミナー」、また大学内の「合同企業説明会」などの就職イベントが矢継ぎ早に開催される。そして、原則的には企業は6月1日以降、エントリーシートや履歴書などに基づく書類審査や筆記試験、複数回の面接などを通して選考を行い、欲しい人材に対して内々定を出していく。
ただし、このスケジュールはあくまで日本経済団体連合会(本部東京・千代田区)が加盟企業をはじめとする企業・団体に求めている紳士協定に過ぎない。そのため、非加盟企業などが、近年は6月よりも前に採用活動を展開したり、内定を出したりする場合も決して珍しくはない。従って、志望企業についてはしっかりと情報収集し、採用試験が受けられないということがないよう、早めの行動が大切になる。
注目の成長期待産業はどこか多方面にアンテナを広げよう
最後に、近年注目の業界について見てみよう。
まず、今後伸びて行きそうな業界としては、「IT業界」「ネット広告業界」「観光業界」「医療・介護業界」などが挙げられる。
「IT業界」や「ネット広告業界」については、スマートフォンが普及した影響が大きい。現代社会はスマートフォンさえあれば、旅行等の予約ができたり、買い物ができたり、高評価のレストランを探せたりと、多くのことができてしまう時代だ。そのため、スマートフォンに関連した事業や検索エンジンを活用したネット広告などは、今後も大きなビジネスチャンスが見込まれている。
また、「観光業界」については、訪日外国人の爆発的な増加が関係している。特に2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック競技大会も追い風となる見込みで、ホテルや旅館、観光地などでは、さらなる需要が見込まれている。
そして、「医療・介護業界」は急速に進む高齢化の影響によって、医薬品、医療機器、介護用品をはじめとする関連分野における市場規模のより一層の拡大が予測される。
就活生のみなさんは、興味・関心のある業界への就職を目指すのはもちろんだが、こうした業界事情にも常にアンテナを張っておきたいところだ。