企業人の視点 面接官に好かれる「第一印象」
2014年3月6日 木曜日
就職活動の面接試験において、第一印象がもたらす影響はことのほか大きい。しかし、自分自身の第一印象を振り返ることは難しく、就職活動が終盤に差しかかった現在でも、意識が欠けている就活生が少なくないという。企業の面接官に対して第一印象を良くするには、どのような心がけが必要なのか。ミューズ・ブランディング・アカデミー株式会社(本社東京・港区)のイメージコンサルタント、谷澤史子氏にお話をうかがった。
あなどれない見た目のイメージ
就職活動中のみなさんは、面接官の質問にどう答えるかなど、自己PRの練習などはしっかりと行っています。しかし、面接に備えて外見を整えようとしている人はとても少ないように見受けられます。
第一印象を決める要素の55%は視覚によるもので38%は聴覚、話の内容というのはなんとたったの7%にも満たないのです。もちろん外見がすべてではありませが、第一印象において、見た目は決して見逃すことのできないポイントだと言えるのではないでしょうか。
就職活動中の面接でチェックされる第一印象のポイントは「清潔感と身だしなみ」「身体に適度にフィットしたスーツ」「姿勢の良さ」「笑顔」―この4 点に絞られます。
ポイント❶清潔感と身だしなみ
このポイントでは、規則正しく、日々充実した生活をしているかどうかという、あなた自身の生活態度と精神的な健全さを面接官に伝えます。
リクルートスーツやシャツの手入れがちゃんと行われていますか。靴も十分に気をつけてほしい箇所です。汚れていたりすり減っていたりするだけで、だらしない印象を残してしまうからです。ヘアスタイル、爪、ひげそりなどの身だしなみも怠ってはいけません。また、女子学生は高校生であればメイクは必要ありませんが、大学生、専門学校生であればナチュラルメイクを心がけ、より健康的に見せるようにすべきでしょう。
ポイント❷身体に適度にフィットしたスーツ
適切なサイズのスーツを着ることで、あなたが自分自身を客観的にとらえることができるかを面接官に伝えることが可能です。
体型に合っていないスーツを着用すると、だらしなく見えてしまいますから、自分の体型に合っているかどうか客観的に分析するようにしましょう。
ポイント❸姿勢の良さ
姿勢を良くすることで、あなたが健康で元気であることを面接官に伝えます。企業が社員に求めるのは健康で元気があることです。胸を張って軽くアゴを引き、歩幅を少し大きくして歩くだけで、若々しさや行動力などをアピールすることができます。
ポイント❹笑顔
最後に、笑顔を心がけることで、あなたが面接を受ける企業に対して好意を持っていることを面接官に伝えることができます。
緊張すると笑顔がなくなるという人も多いかもしれませんが、緊張には、喜びによるものと、不安によるものの二種類があります。不安による緊張からは笑顔がなかなか出てきませんが、その反面、喜びの緊張とは、憧れの人に会った時に起こる現象です。この緊張には「会える」という嬉しさがあるため、苦痛ではなく笑顔を引き出すことができます。
そのため、あなたが本当にその企業に就職したいと思っているのならば、喜びの緊張が起き、知らず知らずのうちに自然な笑顔が出てくるでしょう。
第一印象が相手への好意を伝える
これらの4 点に留意することで、あなたが志望企業やその採用担当者に対して好意を持っていることを、外見から伝えることができるでしょう。その結果、第一印象が良くなるに違いありません。
谷澤 史子 氏
ミューズ・ブランディング・アカデミー株式会社
代表取締役
1969 年生まれ。89 年女子美術短期大学卒業。2005 年に起業、自らもイメージコンサルタントとして活躍中。