就活支援ジャーナル

send 「キャリア進学」の魅力

2020年5月25日 月曜日

大卒者等1万4,845人が専門学校に再進学!!

平成30年3月に大学を卒業した56万5,419人のうち、「正規の職員等」(41万9,035人)と、「正規の職員等でない者」(1万7,058人)を合わせた「就職者」は43万6,093人に達している。

率にして77.1%という高い数字が示すように、かつ次位の「進学者」ですら10.9%に過ぎないことでも分かるように、大学を卒業した後の進路内訳は、例年ほとんどが「就職」となっているのが現状だ。

こうした傾向は、短期大学の場合はより顕著になっている。5万4,598人の新規卒業者に対して、「正規の職員等」(4万1,327人)と、「正規の職員等でない者」(3,124人)を合わせた「就職者」は4万4,451人。実に81.4%もの卒業者が「就職」を果たしており、就職率を比較すると、大学よりも4.3㌽も上回る高い実績を残していることが分かる。

一方、興味深いデータとして注目したいのは、大学や短期大学、高等専門学校といった「高等教育機関」の卒業者で、「専門学校」に「再進学」を果たした者が1万4,845人(平成30年5月1日現在)もいるという事実だ。

この数字には、過年度の卒業生が含まれているため、単年度の傾向としてとらえることはできないものの、先の「10.9%」を構成する「大学院研究科」「大学の学部・専攻科・別科」「短期大学の本科・専攻科・別科」への進学者6万1,654人と比較しても、決して無視できるほど小さな数字ではない。

「再進学」を果たす若者の多くは、自身の「スキルアップ」や「キャリアアップ」、また「自己実現」を目標としているため、このような学びのスタイルは、特に「キャリア進学」と呼ばれ、新しい「キャリアデザイン」の取り組みとして注目を集めている。

「職業教育」を行う専門学校は、設立主体によって、国や都道府県知事の認可を受けて設置される学校だ。大学や短期大学が一般教養を含む幅広い教育を行うのに対し、専門学校が目指すのは「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」という八つの認可分野における即戦力人材の養成。修業年限は2年制の学科が多くなっている。

 

9割超が志望業界就職の圧倒的に高い〝夢実現率〞

「キャリア進学」層は、平成22年度の2万4,863人を頂点に、近年は2万人前後で推移しており、専門学校入学者に占める割合は例年7~9%前後と、専門学校新入生のうち約1割が大学・短期大学、高等専門学校の卒業生で占められている現状がある。

専門学校はもちろん、類似した教育を行う「専門教育機関」では、就業上必要とされる専門知識や技術を身につけるためのカリキュラムが編成されており、実技・実習の時間が豊富に設けられているのが大きな特長となっている。

専門学校や専門教育機関で学ぶ上で特に注目したいのは、就職につながりやすいとされる各種資格の取得指導の充実度だろう。国家資格・公的資格・民間資格の別を問わず、これらの学校では、将来の仕事に直結する有力資格・難関資格の取得を念頭に、行き届いた教育を展開している。

これは、各種検定試験に対しても同様で、職種によっては資格保有が必須条件だったり、技術や知識といった専門性を備えている証明となる所定の検定試験合格が求められたりする場合があるなど、要件充足者は就職活動を進める上で一つのアドバンテージと考えても良いだろう。

大学・短期大学がある程度広範な領域を理論的に学んでいくのに対し、これらの教育機関は、将来目指す職業や目標に向けて効率良くアプローチできる実践教育が充実している。そのため、「就きたい仕事」が明確である若者にとって、これらの教育機関への「キャリア進学」はキャリア形成の意味で有効な選択肢の一つとなっている。

また、〝職業教育に強い〞〝資格取得に有利〞〝就職が万全〞とされてきた専門学校は、一般的な大学・短大に比べて企業等との連携が緊密で、それゆえ企業や産業界が期待する即戦力として実践力のある人材を、伝統的に送り出してきた実積がある。文部科学省の『平成29年度学校基本調査報告書』

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