就活支援ジャーナル

send 福祉業界の現状 「待った」なしの〝2025年問題〞

2018年4月3日 火曜日

ここ数年、介護・福祉業界の〝人手不足感〞は強くなる一方で、特にいまから9 年後には、およそ37.7 万人もの人材が不足すると言われる「2025年問題」が目前に迫っている。本稿では、介護・福祉業界で注目を集める14法人・施設・企業等にフォーカスを当て、その特長と魅力を一挙紹介! 社会的なニーズに合わせて、さまざまな就業形態と活躍場所が存在する介護・福祉業界の実情に迫ることで、キャリアデザインを考える一助として欲しい。

 

■超高齢社会の急速な進行

世界に類を見ないほど、日本では高齢化が進んでいると言われているが実際はどうなのか。

現在、広く知られている概念としては、総人口に対して65 歳以上の高齢者人口が占める割合を「高齢化率」というが、その高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会が「超高齢社会」だとされている。

日本は1970(昭和45)年に「高齢化社会」となり、94(平成6 )年に「高齢社会」となった。そして2007(平成19)年には21.5%となり、遂に「超高齢社会」に突入している状況だ。

■「団塊世代」が75歳以上へ

厚生労働省が発表した「2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」によると、「団塊世代」と呼ばれる1947(昭和22)年~ 49(昭和24)年生まれの人口層が後期高齢者(75 歳以上)に達する2025(平成37)年度に、「介護人材」が37.7 万人(需要253 万人に対して、供給215 万人)不足すると推計されている。

現在、日本の総人口は1億2,674 万人。一方、65 歳以上の高齢者人口は3,499万人と、総人口に占める割合は27.6%にも達している。高齢化が急速に進行を続けているのが現状だ。

 

■変化する市場と社会的背景

これらの数値から分かるのは、介護を含めた福祉問題に起因する専門職人材の確保が急務であるということだろう。少子高齢化の進行にとどまらず、世帯構成の変化や市民のライフスタイルの多様化に伴って、福祉に対するニーズも多様化かつ高度化しつつある。これらの社会的な潮流に対応できる福祉・介護人材の質および量の両面において、より一層の充実が求められている。

現在、介護系分野には、介護福祉士をはじめ、介護職員初任者研修、ケアマネジャーなどの専門職種や資格等があり、参入経路は多様だ。また、ここ数年は、介護福祉士資格取得に関して、国は、国家試験受験→合格を経るプロセスへの移行措置を決定するなど、より資質の高い人材の養成に踏み出している。そのことに伴い、介護におけるエキスパートとしての専門性が担保されるのと同時に、専門職者としてのキャリアパスが明確化されようとしていることも、業界を目指す上では心強い。人の生活の質の向上や、命に関わったりすることができるやりがいに満ちている。

■働きながら資格を取得

近年、注目を集めているのが、この業界特有の間口の広さと柔軟性だ。資格未取得・未経験だから就業できないというわけではなく、実際に施設等で働きながら資格取得を目指せる機会が少なからず用意されており、施設や企業等で介護に従事する実務年数を積み上げることで国家資格等の取得を支援するシステムがある。その意味では、まったくの未経験者であっても心配することなく飛び込むことのできる充実した研修制度やサポート体制が敷かれているのも特長だ。

介護職として活躍できる施設や職域は、考える以上に幅広い。その代表的なのが、「特別養護老人ホーム」と「介護老人保健施設」だろう。また、「サービス付き高齢者向け住宅」や「訪問介護事業所」、「デイサービスセンター」のほか、「グループホーム」「医療施設」、あるいは「教育機関」や「公務員」という選択肢がある。

■やりがいが介護職の魅力

介護の現場では、厳しい労働環境でありながらも、自分たち施設職員のサポートによって高齢や障害を抱える方々がイキイキと自分らしい暮らしを実現させ、結果、そうした利用者から感謝されることが多い。

こうした現状から「感謝・感動・感激」の〝3 K〞と表現する人もいるほどだ。やりがいを通じて、自分らしい介護の在り方を追求し、キャリア向上に励む人も少なくない。決して楽な仕事ではないが、そうした状況を乗り越えられる大きなやりがいがある仕事であることは確かなところだろう。その分、高い意識や倫理観が必要不可欠だ。

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