就活支援ジャーナル

send 【特別企画】若手経営者座談会 エッジの効いた4社が集結

2015年3月5日 木曜日

トリミング1 トリミング ジャーナル画像2 ジャーナル画像3 森部 日本の企業の約90%超を占めるのは中堅・中小企業であり、多くの学の就職先となっています。そう考えると、中堅・中小企業こそが日本経済の中核を成しているといっても過言ではありません。 今回集まっていただいたみなさんは、まさにそうした中堅・中小企業の“エッジの効いた企業家”として自社の成長・収益拡大に向けて邁進されています。 まさにこれからの日本を牽引していく“成長企業”として、自社の役割とはどのような点にあるとお考えですか? 鳴坂 弊社では、スマートフォンや携帯電話などの通信端末の販売をメイン事業としておりますが、「モノを売ること」だけに終始していては、十分な売上はおろか会社の成長などは望めません。 私たちは販売業務を通じて、社会が内包するさまざまな課題に対して一助となり得るサービスや企画提案が求められていると考えています。 例えば、コミュニケーションツールとして欠かせないスマートフォンですが、「SNS」などのサービスが普及すると共に、人と人とのつながりが希薄になりつつあることを感じています。そこで、「声」によるつながりが特長である〝ガラケー〞と言われる携帯電話の販売に再び注力するようになったのです。実際に、法人を中心としたお客様からは新規のご契約をいただいています。スマートフォンが主流となった中で、携帯電話の機種や在庫を豊富に取りそろえていることに感謝のお言葉をいただくことも少なくありません。いまの社会に役立つものが何かを考えることで、目先の売上だけに左右されない経営方針が必要なのだと思います。 赤澤 まさしく、これからは社会貢献の度合いが会社を評価する上で重要となってくるのだと考えています。 これまでのようなアメリカ型の資本主義はもはや現在の日本には適さなくなりました。むしろ、かつて日本の経済市場を盛り上げた本田技研工業株式会社の本田宗一郎氏やパナソニック株式会社の松下幸之助氏のように「人の役に立ちたい」という仕事に対する思いが再び求められているのです。利益至上主義を追求することで、仕事に対する目標や目的を見出せず、将来的なビジョンが描けない企業は事業の継続はおろか、優秀な人材を育てることはできません。現代の若者は10~20年先の自分の姿を思い描けない会社では働くことができないのです。ですから、まずは経営者が率先して筋道を立てていく必要があるのです。自分たちの仕事が社会とどのような関わりを持っているのかを明文化していかなければ、これからの若者を育てていくことは難しいでしょう。 森部 確かに現代の若者にとって、社会貢献性は非常に大切な要素だと言えます。しかし売上を伸ばし、企業規模を拡大していくことも欠かすことはできないはずです。 大企業に勤めることの弊害としては、それらの両立がうまくできず、入社当初の志を忘れたまま管理職に就いてしまうことで、事業を中心に偏った考え方に陥り、社会的な意義などが薄れてしまうのかもしれません。そのように考えると、中堅・中小企業は小規模だからこそ実現する、フットワークの良さを活かして、若いうちから社会とのつながりを意識しながら、働けるという点は大きな長所だと言えるでしょう。 沖之城 インターネットの普及により、個人が社会と関わる機会が増え、事業を興すことも容易になった現代においては、これまで大手広告代理店の独占状態だった広告メディアの事業形態が多様化しています。そのため、小規模な会社であっても、ネットを通じて大きな収益を上げることが可能となっているのです。今日のインターネットサービス事業の細分化がその最たる例だと言えるでしょう。個人のアイデアやひらめきがビジネスとして成立し得る時代だからこそ、経営者の思いや志がよりいっそう重視されるのだと思います。   今後、大きな成長が期待できるのはソフトウェア分野であると考えています。これまで世界のインターネットメディアを牽引してきたのはアメリカを中心とした海外の企業でしたが、利用者の役に立つサービスの提案や新しい製品の開発などは日本が最も得意とする分野です。これらの強みを活かして、世界を舞台に活躍できる人材の登場が日本から待望されています。 ジャーナル画像5 森部 海外への事業展開を推し進める中堅・中小企業が増えている現状について、日本におけるグローバル化に加えて、現地での人材採用など、今後ますます多様化していくことが予想されていますが、どのようにお考えですか? 赤澤 弊社ではすでに海外進出を果たしており、ベトナム・ハノイにソフトウェア開発の機能を持ったグル̶プ会社を擁しています。そこでの現地スタッフの働きぶりは目を見張るものがあります。 そうした経験から現地での採用活動も行っており、国籍に関わらず優秀な社員にはその仕事ぶりに相応しい給与を支給するようにしています。その一方で、「島国社会」という言葉に代表されるように、日本国内で全てがうまくいくと考えている経営者が少なからず存在しているように感じています。これからは、日本人だからといった理由で外国人より給与を高くすることはまったくもってナンセンスです。むしろ能力・才能のある人材は世界各国から採用すべきだと考えます。 現在でこそ、新卒採用の試験は日本人を対象に行われていますが、世界では日系企業に就職したいと考える、優秀な学生が大勢いるのです。複数言語を操り、専門性を兼ね備えた彼ら・彼女らと、将来的には戦っていかねばならないことを日本人の学生にはぜひとも知って欲しいと思います。 鳴坂 グローバル化が始まっている現状に対して、学生自身も「自分の問題」として危機意識を持って行動すべきだと思います。国際的な競争が始まっている現代において、ライバルは日本人だけではありません。ですから、自らの強みを作り出す努力は欠かすことはできないのです。その一つとして求められるのが、「個人事業主」としての感覚を持つことが挙げられるでしょう。会社という組織に属する以上、コミュニケーション力や強調性は外せない能力ですが、ここで挙げる個人事業主としての感覚とは、一人ひとりが自らの頭を使って考え、そして主体的に行動することを意味しています。グローバル化の中で、多様な言語や異文化における価値観の違いなど、これまでとは異なった環境の中で、自分がどのような立ち位置で動くべきかを細かく指示してくれる人はいません。まずは自分自身で、改善すべき点や良いと思われることは率先して取り組むべきだと考えます。 森部 グローバル社会を受け入れ、企業がその中で生き残っていくためには、社員一人ひとりが経営者に依存することなく、個人事業主としての感覚を持つことが必要ということですね。そうなれば、組織としては強い集団になる。グローバル社会で打ち勝つためにはそうした意識改革が求められるのでしょう。では一方で、社員をまとめる側である経営者はどのような考え方でいることが望ましいと思いますか?沖之城経営者側は、社員をうまく束ねるために、確固たる経営理念に基づいた行動指針を発信することが大切だと考えます。そして、社員一人ひとりの幸せを守るために邁進すべきなのです。国際的な競争が激しくなれば、淘汰される企業が出てくることは避けられません。現に大企業が倒産することがさして珍しくない現代において、一歩誤れば経営が傾くことも少なくないのです。ですから、既存の商品やサービスに満足することなく、絶えず新しい発想や企画を生み出し続ける必要があると考えます。例えるならば“農業”と同じ働き方だと思ってください。農家はその年によって収穫する作物を変え、季節や気候に合わせて収穫物を変化させています。その原理・原則はビジネスにおいても変わらないのです。 ジャーナル画像3 森部 企業規模の拡大を目指すことは経営者にとっては命題とも言えますが、みなさんは自社をどのように発展・拡大させていく構想や計画をお持ちなのでしょうか。 鳴坂 経営的な側面として、目標とする売上やそれに伴った店舗数の確保などはありますが、一定の数字に達した地域は、既存の店舗を長く継続していくための営業計画を組み立てていきます。例えば、弊社では販売員をキャスト、店長は監督、課長職はディレクター、部長職はプロデューサーといったエンターテインメント性溢れる表現で社員を位置づけています。現場の第一線で活躍する社員を、社内で最も脚光を浴びる立場として扱い、お客様に対して万全の体制でサービスを提供できるよう環境を整えているのです。こうした社内制度を擁していることから、社員一人ひとりがイキイキとした表情で、楽しみながら仕事に取り組んでいます。その結果として、地域の方々に愛され、継続的な企業活動が可能となっていくのです。赤澤企業活動において、継続していくことこそがもっとも価値のあることだと考えています。規模拡大を最大目標に企業活動を続けていては、社員はもちろん、経営者も目的を失いかねません。自社のビジネスを通じて、社会貢献を続けていくことで、そのサービスや製品を社会が必要と感じれば、自ずと拡大していくものだと考えます。我々はウェブシステムの開発や運営、保守メンテナンスを主な事業として行っていますが、核となる事業から逸脱することなく、常に“ブレない経営”を心がけています。例え業績が好調を続けていても、他の事業に参入をしたり、社員数をやみくもに増やすといったことはしません。それは「経営者の身の丈以上のことをしない」という信条からです。会社とは経営者の持つ素養や器に応じて成長していくものですから、実力に対して不相応なことはすべきではないという考えです。 森部 リスク回避をしていくことは経営を続けていく中でもっとも大切なこと。社員には家庭があり、それぞれ守るべきものがあります。それら全てを経営者は守っていかねばならない。ですから、自社の社員を自らの家族のように感じ、その幸せを追求することが大切なのです。私自身、経営者を集めてセミナーを行う際には、仕事を通じた社会貢献性の重要性を説きながら講演を行います。若手経営者であればあるほど、そういった視点を身につけて欲しいと感じています。 沖之城 弊社はWebプロモーションを活かした、新卒採用事業を中堅・中小企業に対して展開をしています。その中で、日本の企業は新卒一括採用を重視し、入社した世代によって企業文化を形成していることが分かりました。こうした、言わば「家族経営」「仲間感覚」の強い日本企業において、改めて経営者からの発信・伝達が求められているのだと実感しています。そして、受け手である学生側が企業のメッセージに共感し、共に歩んでいくことを決めてくれたのならば、その組織はより強固な関係性が構築できるでしょう。弊社としても、学生と企業が満足いくサポートを継続的に行っていきたいと思います。 ジャーナル画像 森部 企業側の経営方針やメッセージ性が重要視される一方で、受け取り側の学生自身もしっかりと意識を持っていかなければいけない。そういった意味では、大学教育の在り方についても議論していきたいと思います。 赤澤 インターネットがあれば、情報を容易に取り出せる現代において、暗記型の詰め込み教育だけでは立ち行かない時代になっているのは確かです。知識を活かす知恵を持っていなければいけないと感じています。例えば、大学教育だけでは社会人として不十分な学生がいたとしても、そこからしっかりとした教育を行う余裕がないというのが中堅・中小企業の本音です。そうした点からも日本の大学にはもっと変化を求めたいと思います。実学中心の教育を行うことで実社会に活きる学問を期待します。また、学生には物理的条件で会社を志望して欲しくないと思います。例えば、海外事業があるからと言った理由で入社を決めたとしても、在籍中に経営方針が変わればその部署がなくなることもあり得るのです。 鳴坂 現在の若者は夢を抱くことや希望を見出すことを否定されてきた傾向があると感じています。夢を持って挑戦するよりも無難にまとまることで安定性を求めようとしている。それは本人が悪いのではなく、そういった教育を行ってきた結果だと考えています。ですから、社会人になって「夢や志は何か」と聞かれても何も出てこないのです。そういった若者を導いていくことが我々の仕事だとするのならば、経営者として自らが夢を描き、そのビジョンを明確にすることで、彼ら・彼女らに会社が目指す未来を示す必要性があるのだと感じています。 沖之城 魅力的な経営者が生まれることで、「自分もそうなりたい」と同じ志を持って入社する若者が増えることが望ましいですね。現在のように、「知名度があるから」といった短絡的な思考で会社選びをするのではなく、自分の価値観に合った経営理念、自分の幸せの基準から会社選びをして欲しいと思います。そのためには、大学の就職セミナーなどを活用して、自己分析や企業研究を行うことは大切です。もちろん、民間企業のサービスを利用して、第三者のアドバイスを受けながら自分に合った会社を探すことも効果的でしょう。プロスポーツ選手は優秀なエージェントに依頼し、スポーツマネジメントを受けながら活動を続けていますので、就職活動においても先導するエージェントが居ても不思議ではありません。そういった民間のサービスを利用することも効果的でしょう。 森部 みなさんの個性的な意見をありがとうございます。これからの日本をつくっていく若者が元気でなければ仕方ない。そのためには経営者であるみなさんがその道筋を立てて、若者を導いていく必要があるのだと実感しました。また、大学教育だけではなく、高等学校や中学校、小学校などのそれぞれの時代に応じたキャリアを積み重ねていくことの重要性がより一層感じられます。社会構造は常に変化し続けますので、一定の方法論や価値観などは一瞬のうちに変わってしまいます。そういった変化に対しても柔軟な姿勢で物事をとらえ、自ら成長し続けられる人材がグローバルに活躍できる力を備えているのだと言えるでしょう。今回の座談会が就職活動をこれから始めるみなさんへの良きアドバイスになることを願います。 ジャーナル画像2 ジャーナル画像3   ジャーナル画像9 森部氏の鋭い質問に対して、エッジの効いた発言で議論を湧かせた3人の経営者を通じて、日本の社会が向かうべき方向性が見えてきたように感じる。グローバル化や情報化など、多様性を増していく現代においても、変わらないものは人と人とのつながりであり、そうした古来から連綿と続く営みこそが、安定した企業経営を続ける源になるのだろう。 今回の座談会を通じて、日本社会の基盤となるのは中堅・中小企業であることは間違いないと実感した。企業規模や知名度、安定性といった理由で指示されていた企業群がこれからは立場が変わる時が訪れるかもしれない。いかなる時代の変化に対しても機敏に対応し、行動できる力を身につけておきたいものだ。  

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