就活支援ジャーナル

send 本当にこの会社で良い?<「内定ブルー」を乗り切ろう!>

2018年4月11日 水曜日

 

12 月に入ると、内定式も終わり、就職活動がひと段落ついたという就活生も少なくないだろう。一緒に就職活動を頑張ってきた仲間や、何かとお世話になっている教授に近況を報告する機会もあるに違いない。そうした時期に差しかかって、改めて気になってくるのが「この会社にこのまま入社してもいいのか?」という不安や疑問だろう。本稿ではそうした「内定ブルー」の解消に当たって、自分の就職活動を振り返る効用を考えてみたい。

 

なぜ内定ブルーに陥ってしまうのか?

「必死に就職活動をして内定を勝ち取ったにも関わらず、気持ちが晴れず憂鬱な気分になってしまっている」―。内定承諾書を提出してから入社するまでの期間にこうした不安や憂鬱で悩まされることをいわゆる「内定ブルー」と呼ぶ。

不安や心配事は考えれば考えるほど大きくなり、プレッシャーに押しつぶされ内定を辞退してしまう学生もいると聞く。しかし、苦労して得た内定を辞退し、振り出しに戻るのはモチベーションの維持が大変な上、最終的に満足する結果になるかどうかすら保証されていない、非常にリスキーな選択と言える。

こうした心の持ちようの原因の一つとして考えられるのが、「会社の詳しい内部事情が分からない」という点だ。近年は、大手の就職サイトを利用して就職活動を行う人が圧倒的多数を占めており、資本金や事業内容といった基本情報をはじめ、給与や福利厚生、あるいは具体的な仕事内容といったところまで把握することが容易になっている。しかし、実際に社会人として働いたことのない多くの就活生にとって、入社後の自分を具体的にイメージするのは簡単ではない。そのためインターネットで内定先のいろいろな情報を集めていくうちに、「配属先が希望通りではないかもしれない」「残業が多く、きつい仕事かもしれない」「思うような給料をもらえないかもしれない」といった不安が次々と湧いてくることが珍しくないようだ。

 

その会社の選考を受けた理由を振り返ってみよう!

「より条件の良い会社があるのではないか」―。そのように悩むのは、時期尚早と言えるだろう。そうした時は、いたずらに焦るのではなく、いま一度これまでの就職活動を振り返ってみると効果的だ。

まず、就職活動を行う上で欠かせない「会社説明会への参加」について考えてみたい。この時に、実際にその会社の人の働きぶりや会社の性格を直接聞く機会があったのではないだろうか。そうした話から得た「会社のプラス面」を思い出し、具体的に書き出してみよう。「清新な社風に惹かれた」「業界でナンバーワンのシェアを占めている」「海外進出に積極的で、勢いがある」など、自分が企業選びを進める上で、重視していたポイントと重なるに違いない。

実際に良いと思う面を書き出した後、自分が書いたエントリーシートや志望理由書などと照らし合わせるのも良いだろう。そうすることで、改めて「この会社に入りたい」と決断した理由を思い起こすことができるはずだ。

 

一人で悩まず周囲の人に相談しよう!

内定式に出席しても、「この会社でいいのか」という不安が解消できない、あるいは就職活動を終えた仲間たちが順調そうに見え、「自分だけが焦っているように感じる」。こうした疑心暗鬼に陥るのは、珍しいことではない。そのためなのだろう、内定が出た後も就職活動を続けている学生は毎年、一定数存在しており、企業が内定辞退を避けるため、学生に就職活動の終了を迫る「オワハラ」を行っているというニュースに接した人も多いのではないだろうか。

気持ちはますます迷走しかねない状況だが、一人で悩んでいる人にオススメしたいのが、「周囲に不安な気持ちを相談する」ということだ。特に、お世話になった部活動・サークルの先輩やキャリアセンターの職員、教授、あるいは家族や恩師など、人生の先輩たちのアドバイスから自分にはない視点を得ることで、不安が解消されることも多い。また、思い切って友人に相談することで、同じように悩む気持ちを共感してもらえる場合もあるだろう。「自分だけが不安を抱えて悩んでいるわけではない」ということが分かるだけでも、気持ちが晴れるはずだ。

 

自分の状況と他人の状況を比べない

これから就職する会社について、同じく就職活動を終えた友人と話す際、友人の内定先と待遇を比較してしまうことがあるかもしれない。しかし、会社の良し・悪しは「福利厚生」や「給与」といった待遇だけで決まるものではないと心得るべきだ。長い目で見て、「自分に合っている」、もしくは「働きがいがある」と感じて入社を決めたのであれば、それは正解だろう。また、入社後にどのように成長できるのか否かも自分次第。入り口である内定先にとらわれず、「将来どうなりたいか」を念頭に置くことで迷いが解消され、より具体的なキャリアイメージを描き出すことができるのではないだろうか。

就職先で悩むということは自分の将来と真剣に向き合っている証拠ととらえたい。時には会社や将来のマイナス面ばかりが目についてしまうのも仕方がないことだろう。しかし、まずはこれまでの自分の努力が実り、無事就職先があるという喜ばしい状況であることを認めるゆとりを持ち合わせたい。

どの会社にも一長一短があり、入社後にギャップを感じる可能性も大いにある。将来をあれこれと悩むのではなく前向きに考え、春からの社会人生活に備えていこう。

 

こんな時どうする?Q & A

Q家族や親戚に内定企業の話をしたら、「考え直せ」と反対されてしまいました。

A自分の考えや意見、また将来設計など、気持ちもしっかりと伝えた上で判断しましょう。

内定を得た企業名を親に伝えたら反対されたという場合に注意したいのは、「親の反対意見を理由に判断しない」ということです。周囲の意見はありがたく受けるものですが、しかし同時に、あくまでも一つの意見に過ぎないと考えるべきです。どうするかはみなさん次第です。内定先の企業を反対された場合は、まずみなさんが「なぜこの企業が良いと思ったのか」「今後何をしていきたいのか」をきちんと説明することから始めましょう。ただし、企業や業界のイメージで意見を交わすのではなく「なぜ反対しているのか」という理由から考えていきましょう。

 

Q第一志望だった企業への就職をあきらめきれず、就職活動をやり直したいと思っています。

Aリスクのある選択肢だということをあらかじめ理解してから相談しましょう。

残念ながら、目指していた業界や企業から内定を得られなかった人の中には、就職活動を続けるか、来年の就職活動に懸けたいということがあるかもしれません。どうしてもあきらめきれないのであれば、やむを得ないことでしょう。ただし、秋採用での募集があるからという理由でいまの内定を辞退するのは避けましょう。秋採用というのは、春採用よりも採用数が少なく、留学生や体育会系の学生など何かに特化した学生、もしくは春採用で採用できなかった層に目を向ける企業が多いためです。まずはキャリアセンターなどに相談し、無謀な選択ではないのかを確認した上で判断するようにしましょう。

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