就活支援ジャーナル

send 新卒採用市場は二極化の様相へこれから突入する本番の第2 ラウンド

2018年4月3日 火曜日

平成30年3月卒業予定の大学生等を対象とする就職活動の採用活動が解禁されてからすでに1カ月が経過した。志望企業から内定を獲得して就職活動を終了した人もいれば、まだまだ活動を続けている人もいることだろう。 本稿では、就職活動を引き続き頑張る就活生のみなさんに、この時期に役立つ有益なアドバイスをお届けする。

 

企業側の採用意欲は旺盛!!新卒マーケットは売り手市場

平成30 年3 月に卒業を予定している、いわゆる「18 新卒」の就職内定状況はどうなのか。いくつかのデータから考えてみよう。

厚生労働省が5 月19 日に発表した「平成28 年度大学等卒業者の就職状況調査(4 月1 日現在)」によれば、平成29 年3 月に卒業した大学生(17 新卒)の就職率は97.6%と、前年同期比で0.3㌽上昇し、平成9 年3 月卒業者の調査以来、過去最高を更新したことが明らかになった。

こちらの数値は、設置者や地域特性を考慮した合計112 校の標本調査だが、対して全数調査である『学校基本調査報告書』(文部科学省)による就職率は、いわゆる「リーマン・ショック」の影響を最も強く受けたと考えられる「10 新卒」の60.8 % から「16 新卒」の74.7%までの6 年間連続で常に上昇傾向にあり、両調査が示す「就職率」は、その傾向が「18 新卒」も続く〝売り手市場〞であることを色濃く描き出していると考えてよさそうだ。

 

内(々)定が半数以上?舞台は就活第2ラウンドへ

「18 新卒」を対象とする就職・採用活動は6 月に解禁され、すでに1 カ月が過ぎ去った。こうしたタイミングで、一部大手就職情報サイトや就職情報企業、民間系シンクタンクなどは、こぞって就活生の就職内定状況をリリースしており、いずれも半数から7 割程度の就活生が内(々)定を獲得しているとの調査結果が報じられている。

しかし、果たしてそれが実態を表しているかどうかの判断は難しい。

一部には、この時期に内(々)定を獲得している学生の多くは、就職・広報活動が解禁となる3 月以前から入念な準備をしてきた人たちで、かつ多様な就職情報を積極的に活用するなど、就職活動に前向きに取り組んできた層なのではないかという指摘がある。

大学で学内合同企業説明会を開催している大学新聞社には、学生はもちろん、個別企業からさまざまな声が寄せられる。

いわゆる大手志向の就活生で、一人で複数企業の内定を得ている者が少なくない。一方、思うような人材が採用できそうだと手応えをつかんでいたある中堅企業経営者は、「内(々)定を出した全員が辞退を申し入れてきた」と頭を抱える。

早々と人材を確保できた大手・有力企業とそうではない企業、あるいは、次々と内(々)定を得ている学生と、夏を目前にしたこの時期に予想外に苦戦する学生。明暗を分かつキーポイントになっているのは、大学のブランドではなく、特に面接などにおけるコミュニケーション能力にあるとの分析もなされ始めた。いずれにせよ、そうした状況から得る印象は、ズバリ「二極化」だ。その意味では、これからの時期は、〝就活第2 ラウンド〞と考えての行動が求められるだろう。

 

自分に合った企業から内定をもらうことが重要

就活生の中には、一刻も早く企業から内定を獲得することが「ゴール」のように錯覚している人がいるかもしれない。

「早く就職活動を終わりにしたい」という気持ちは十分に理解できるが、就職活動を早く終えることが一面的に「良い」ということには決してならない。本当にその企業が自分にとってベストなのかどうかを再検討せずに就職活動を止めてしまい、結果、就職後に「やはりこの会社は自分に合わなかった」などとミスマッチに気づくというのでは、取り返しがつかない。

例年、大卒新入社員の30 ~ 35%前後は3 年以内に離職している実態があり、厚生労働省が発表した「平成25 年若年者雇用実態調査の概況」によれば、「初めて勤務した会社をやめた主な理由」の上位は、❶労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(22.2%)❷人間関係がよくなかった(19.6%)❸仕事が自分に合わない(18.8%)❹賃金の条件がよくなかった(18.0%)―の順となっている。❷以外については、事前の自己分析や企業研究がしっかりとできていれば防ぐことができたような内容だ。やはり自分に合った企業から内定を獲得することが、卒業後に長く活躍できる要因の一つになることは間違いないだろう。

日に日に気温が高くなり、夏の到来を感じるこの時期。「行き詰まった」と感じた際はキャリアセンターの職員や教員、友人、家族など支えてくれる周囲の人々に相談をするのも効果的だ。人生を左右しかねない就職活動だからこそ、最後まで全力で駆け抜けてとエールを送りたい。

 

この時期の就職活動で大切なこと

  • 決してあきらめないこと
  • 周りの学生の内定獲得に焦ることなく、腰を据えて臨むこと
  • 手当たり次第にエントリーはせず、志望業界・企業をある程度絞ること
  • キャリアセンターを有効的に活用すること
  • 周りの友人や家族にも相談してみること ……など

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