就活生応援メッセージ「就職活動は自分の可能性を広げる絶好のチャンス!」視野を広く持って就活に挑もう!
2015年5月21日 木曜日
私が大学生の頃は、いわゆる男女雇用機会均等法がまだできていない時代でしたので、女性は結婚するのであれば寿退社で家庭に入るという形が一般的でした。当時、女性が一生働ける職業と言えば、公務員か編集者くらいしかなかったように思います。
私はもともと仕事は一生続けたいと考えていましたし、雑誌の編集にも興味がありましたので、卒業後は株式会社世界文化社(本社東京・千代田区)に入社し、『家庭画報』の編集者として働き始めました。しかし、入社後間もなく、当時交際していた男性と結婚することとなり、夫のアメリカ転勤に付き添う形で退職し、米国に移り住むことになりました。
ほどなくして日本に帰国してからは、女性向け生活雑誌の編集に5年ほど携わりました。その後、当時、東京ストレスマネジメントという会社を設立しようとしていた、現在は株式会社コーチ・エィ(本社東京・千代田区)ならびに弊社の代表取締役を務める伊藤守と出会い、仕事に関する相談や話をしていくうちに意気投合し、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンの設立に携わることになりました。
出版社は通常、書店の問屋である「出版取次」とコネクションを持つ営業マンと、有能な編集者がセットでいるのが一般的です。しかし弊社は、会社設立当初は、出版取次とのコネクションはもちろん、ノウハウもほとんどありませんでしたから、書店を一つずつ回り、出版物を置いてもらえるように地道な営業活動をしていました(笑)。
また、最初は著者もいませんでしたから、代表の伊藤の言葉や、読者から集めた言葉をCDサイズの本にしていました。読者の切ない恋の想い出を集めた「Imissyou…」シリーズは、累計42万部のヒットになりました。
1990年代後半からは自己啓発書が流行り出したこともあり、海外の自己啓発書の翻訳業にも力を入れ始めました。そして、『超訳ニーチェの言葉』は累計134万部を記録するほどの社会現象となり、また、経済評論家の勝間和代さんとの出会いがきっかけで、『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』の書籍も大ヒット。“カツマー”と呼ばれるファンを生み出しました。今後も“ビジネス書や自己啓発書に強い出版社”として、ビジネスパーソンの心に響く魅力的な書籍を世の中に送り出していくつもりです。
弊社は、出版取次を通さない独自のスタイルで直接取引を行う出版社としては業界第2位までに成長しました。
しかしながら、出版業界全体として見れば、少子化による読者人口の減少など、長期低落傾向が予想されます。ですから企業として存続していくためには、現状に慢心することなく、さらなる経営努力が欠かせないと痛感しています。
例えば、出版物の電子書籍化や多言語化によるグローバル展開、さらにはヒットした書籍をテレビ、ゲーム、グッズ販売というように、二次利用をイメージした360度展開も今後は視野に入れていくつもりです。厳しい環境だからこそ、常に新しいことにチャレンジしていく姿勢が大事なのだと思っています。
就職活動においては、どうかすると「好きなことを仕事に」というキャッチフレーズが一面的に強調されがちです。しかし、社会人として長年経験を積んできた私からのアドバイスとして、自己分析であまり好きなことにこだわり過ぎると、自分の可能性を狭めてしまう恐れがあるということをお伝えしておきたいと思います。社会には数多くの魅力ある仕事がありますから、まずは幅広い視野を持つことが大切なのではないかと思います。
学生のみなさんが企業を選ぶように、企業もまた採用したいと思う学生を選ぶことができます。もちろん、適性がなければ内定をつかむことはできません!もしみなさんが入社試験を受けて内定を獲得することができたら、それはその企業に対する適性とご縁があるからでしょうし、仮に「本当に向いているのだろうか?」と迷ったとしても、仕事を続けていくうちに好きになることも、実は少なくありません。
就職活動に挑むみなさんには無限の可能性があるはずですから、自分の可能性をいたずらに小さく評価せずに、幅広い視野を持って就職活動を乗り切って欲しいと思います。