コメディエンヌが教える「笑顔の自己ピーアール」-笑顔の就職活動[第3回]
2016年8月30日 火曜日
就職活動では、コミュニケーション力が特に求められます。面接試験はもちろん、企業の人事・採用担当者やOB・OG との面談など、社会人や幅広い年代の人たちとコミュニケーションを取る必要性に迫られることも少なくないでしょう。エンターテインメントユニット「モエヤン」の一員としてデビュー以来、多くの人々に「笑顔」を届けることで幅広い支持を集めてきたマルチタレント・池辺愛さんによる「笑顔の就職活動」。笑顔を呼ぶ自己ピーアールについてうかがいました。
頭の切り替えを心がけ効率的に情報収集をしよう
さまざまな業界に足を運び、企業研究を進めながら進路を探っていき、さらに面接試験も併行して受けていくこの時期。混乱することなく、落ち着いて日々に向き合えるようにしたいところですね。
私が生活の中で心がけているのは切り替えるということ。寝る時は寝る、遊ぶ時は遊ぶ、また仕事をする時は仕事をするというように、「忘れる」ことで切り替えをしています。特に落ち込んでしまった場合はそれを次の日に先送りにせず、友人や先輩方に相談したり、ゆっくりと時間をかけてお風呂に入ったりするなどして、しっかりと頭を切り替えていく意識を持つということを大切にしています。
いま、私は仕事で毎日生放送をしていて、さまざまなゲストの方がいらっしゃいます。前日にはその方たちの情報に接して本番に備えます。ですから、放送が終わったらどんどん忘れていかないと、次の人の情報が頭の中に入ってきません。「あれを覚えておかないと」「これは忘れないようにしなきゃ」ということが増えれば増えるほど、肝心な時に思うように動けなくなってしまうもの。「忘れる」ことが頭の切り替えになり、次の日にまた違った仕事に全力を発揮できる秘訣になっています。そして、それは就職活動にも当てはまるのではないかと思っているのです。
もちろん、何もかも忘れてしまえばいいということではありません。むしろ、必要なことをメモに残しておくことで、いつでも思い出せるようにしておくからこそ思い切って「忘れる」ことができます。重要な点を記録し、あとはサッパリと忘れ、リフレッシュした頭で次に挑むことが大切だと思います。
私が所属している劇団の座長、三宅裕司さんのモットーは「今日の悩みは今日解決する、次の日に持ち越さない」というものです。多種多様な演目をこなしながら、常に最高のパフォーマンスを発揮している三宅座長の姿から学べるのは、情報の取捨選択と断捨離が、いかに大切なのかということ。自分の心のテーブルをスッキリと余裕を持たせておきましょう!
相手に自分をどう見せるか、演出方法を考えてみよう
面接試験では、万全の業界研究と自己分析が欠かせませんが、それと同時に、相手の面接官にどのようにそれを伝え、良い印象を持ってもらえるかを考えることも大切です。
例えば「帽子のコレクションが好き」という就活生がこの場にいるとしましょう。面接官に趣味について聞かれた際、単に「帽子を集めるのが好きです」と答えるだけでは話が広がりません。「4 年間で500 個の帽子を集めました!」とか「いい帽子を手に入れるために北欧に足を運んだこともあります」といった具体的なフレーズやエピソードを織り交ぜると、より印象に残りやすくなりますし、自分の強みのアピールにもつながります。
こうしたトピックやエピソードはその場の思いつきでそうスラスラと出てくるものではないでしょう。だからこそ、自己分析では自分が過去に頑張ってきたことや楽しく取り組んできたことなどについて、面接官が思わず耳を傾けたくなるような強みを意識的にメモに残しておく必要があるのです。そうすることで、グッと良くなる自己ピーアールを編み出せるのではないかと思います。そして、そうした自己ピーアールが本当に他者の心に届いているのか、例えば模擬面接を通して試してみるのもいいでしょう。
素晴らしいエピソードを印象深く伝えていくにはテクニックも必要です。私は手段の一つとして、オノマトペや比喩表現を上手に使いこなすことをオススメします。例えば「登山が好きで、富士山に登りました。雪が積もっていてきれいでした」と伝えるのと、「富士山は雪が白い帽子をかぶったみたいになっていて、キラッキラに輝いていました!」と伝えるのでは、後者のほうが印象に残りやすいでしょう。このように、みなさんが感じたパッションを、情感たっぷりに面接官に伝えることが好印象につながるのだと思います。