【最新NEWS&TOPICS】 大学+専門学校等で就職力を上げる キャリア進学の魅力
2014年12月17日 水曜日
大学・短期大学卒業後に専門学校に再進学し、その後に就職を目指す「キャリア進学」が注目を集めている。本稿では、実社会で求められる実務能力や実践力を身につけられると評判の〝学び直し〞に関する情報と魅力についてお伝えする。
就職難が続く現在にあって、専門学校は比較的高い就職率を維持している。文部科学省の『学校基本調査報告書』によれば、平成24年度の新規大学卒業者の就職率が67.3%にとどまるのに対し、専門学校のそれは79.7%と、大学を大きく上回っていることが分かっている。具体的な就職分野を意識したカリキュラムが編成され、徹底的な就職指導がなされているため、即戦力を求める企業からの需要は根強い。
そうした背景を受け、大学・短期大学で学んだ教養をベースに、専門学校でより実践的な力を身につけ、就職戦線に新規学卒者として改めてチャレンジするという選択肢を検討する就活生は少なくない。その事実を裏づけるのが、大学等を卒業してから専門学校に入学した学生の最近10年間の割合が、専門学校入学者全体の7~9%と、ほぼ1割を占めているという事実だ(文部科学省『学校基本調査報告書』)。
進学する専門学校の選択において特に重要とされているのは、「自分の就きたいと思う職業に必要とされる知識・技術が学べるか」「就業上不可欠な資格・免許が取得できるか」という点だ。卒業後の選択肢が幅広い大学とは異なり、専門学校では原則的に学びの内容に直結した分野・業界への就職を目指すことになる。言い換えれば、卒業後の仕事の内容が明確であれば、再び学び直す上でまさに打ってつけの教育機関であることを意味する。
社会のニーズをダイレクトに反映するという意味では、大学・短期大学よりも柔軟性があるとされる専門学校は、大学卒業後の進路を考えるに当たり、見逃せない存在の一つだ。
志望校を決めたら、オープンキャンパスや体験入学を活用し、自分の目的に合っているかどうかを見極めるのが賢明だろう。また、進学に際して留意しておきたいのが、初年度納入金や実習費、あるいは教材費といった諸経費の存在だ。公益社団法人東京都専修学校各種学校協会の「平成26年度版学生・生徒納付金調査結果」によると、専門学校に進学した場合、平均的な初年度納入金はおよそ122万円前後だ。
学費支弁の方法として最もポピュラーなのは日本学生支援機構の奨学金を利用することだが、大学・短大等卒業者を対象とする学費免除制度を設けている専門学校もある。
入学に伴う経済的負担を減らしながら学費や生活費を調達する方法をしっかりと見つけ出すことができれば、専門学校の「キャリア進学」に対するより現実的なイメージを固めることができるだろう。
❶卒業と同時に取得できる
[工業系]測量士補
[衛生系]栄養士、調理師
[教育・社会福祉系]保育士、幼稚園教諭(二種)
❷卒業後、一定の実務経験を経て取得
[工業系]測量士、第2 種電気主任技術者、第3種電気主任技術者
❸卒業と同時に受験資格を取得できる
[工業系]2級建築士・木造建築士*1 、自動車整備士( 2級)、自動車整備士( 1級)*2、航空整備士(2等)、危険物取扱者(甲種)
[医療系]看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、歯科技工士、歯科
衛生士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、はり師、きゅう師、あんまマッサー
ジ指圧師、柔道整復師、視能訓練士、救急救命士、義肢装具士
[衛生系]理容師、美容師、製菓衛生師
[教育・社会福祉系]社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士
❹卒業後、一定の実務経験を経て
受験資格を取得できる
[工業系]2級・1級土木施工管理技士、2級・1級電気工事施工管理技士、2級建築施工管
理技士、1級建築士
[衛生系]管理栄養士*3
[農業系]2級造園施工管理技士
*1 一部実務経験が必要な場合あり
*2 入学資格は2 級取得者、ただし修業年限4 年制の場合は高卒も可
*3 4年制の指定養成施設では、実務経験は不要
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❶~❹は所轄省庁の認定により、学校・学科で異なる
場合がある。上記のほか、専門学校で資格取得のため
の教育や、各種試験受験のための実力養成などが受
けられるものも少なくない。
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