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TDS、拡張に隠れた狙い 「事実上、第3のテーマパーク作る」 路線の軌道修正へ
2018年7月23日 月曜日

東京ディズニーリゾートの全体図
今回の拡張プロジェクトをめぐっては、東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーシー(TDS)に続く第3テーマパークの可能性もささやかれていたが、蓋を開けてみれば、実際にはTDSの拡張に落ち着いた。
それでも、2001年のTDS開業時に投じた3350億円に次ぐ巨額投資の計画だ。 具体的には、TDLとTDSに隣接する駐車場10万平方メートルを転用し、新たなアトラクションなどを新設する。これによってTDSは約2割広がることになる。 現在、TDLとTDSの敷地面積はほぼ同じだが、TDSには中央部に大きな“海”があるため、実質的な敷地は狭い。このため、今回の拡張がTDSの顧客満足度の向上につながると決断した。 そして、隠れた狙いというのが、これまでTDSを特徴づけてきた路線の思い切った“軌道修正”だ。 上西氏はこう解説する。 「TDSは海や冒険をテーマに作ったパークだ。その結果、スリルのあるアトラクションも多い」という。つまり、来場者もTDLに比べ、大人が中心になっている。 ◇ ■「事実上、第3のテーマパークを作る」 今回、TDSの拡張によって新設されるのは、ディズニー映画「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ピーター・パン」をテーマにした4つのアトラクション。これらのアトラクションでは絶叫マシンは想定しない。これにより、TDSの来場者ターゲットを、子供を含めたファミリー層、特に祖父母、親、子供の3世代が楽しめるように軌道修正したのだ。
同時にTDSにファミリー層を取り込むことで、TDLの混雑解消にもつなげる。 OLCは、TDR全体の来場者数は公表しているものの、TDLとTDSの来場者内訳は公表していない。ただ、TDLの来場者がTDSを大きく上回っているのは明白。TDLが全世代を対象にしているのに対し、TDSは「大人のテーマパーク」の性格が強いからだ。 今回の拡張と新アトラクション新設で、TDSを全世代向けのテーマパークとすることで、結果的にTDLの来場者比率が下がり、混雑問題の緩和にもつながるというのだ。 それだけに、今回のプロジェクトは単なる拡張ではなく、「事実上、第3のテーマパークを作るのと変わらないビッグプロジェクト」(上西氏)という。 OLCの加賀見俊夫会長はプロジェクト発表の会見で、「これまで見たことのないテーマパークをつくる新しいステージに入った」と強調していた。そのときはその意味を理解できなかったが、隠れた狙いが浮き彫りになったことで、TDRが大きく変わろうとしていることを実感し始めている。(平尾孝)