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send MRJ、3年間新規受注ゼロ 米ボーイング事故影響 型式取得など暗雲

2019年5月10日 金曜日

2014年10月に開かれたMRJの公開式典。初号機の納入スケジュールは遅れている(ブルームバーグ)

三菱重工業傘下の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発している、国産ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」に暗雲が漂っている。三菱重工の泉沢清次社長は9日の決算発表会見で開発順調をアピールしたが、米ボーイング機の事故が影響し、商用運航に必要な型式証明(TC)の取得や、来年度半ばに予定する初号機の納入時期が遅れるとの見方が出ている。これまで5度も納入が延期された上、新規受注は約3年も途絶えており、これ以上の足踏みは許されない状況だ。   「今がまさにヤマ場だ。関係各所と綿密に連携していく」   三菱重工の泉沢社長は9日の会見でそう述べ、TC取得に全力を尽くす考えを強調した。開発状況については「今のところ順調だ」と話し、遅れに対する懸念払拭に努めた。 MRJの開発や販売を手掛ける三菱航空機は、今年3月からTC取得に向けた飛行試験を米国で実施している。使用中の4機に加え、近く完成する1機を追加投入し、追い込みにかかる構えだ。開発の大きな問題は、すでにクリアしたとみられる。 もっとも、ボーイングの新型機「737MAX」による墜落事故が昨年10月と今年3月に発生したことで、安全性を監督する米連邦航空局(FAA)にも批判が及びつつある。今後はFAAによる審査が厳格化され、MRJのTC取得がずれ込む可能性も否めない。 MRJはここ3年、新規受注が途絶えている。しかも昨年、経営破綻した米イースタン航空が40機の発注をキャンセルし、受注残は407機に減った。これ以上遅れれば、既存顧客のつなぎ止めすら難しくなる。 最新のエンジンを搭載したMRJは、燃費性能の高さが最大の売りだ。しかしブラジルのエンブラエルは、同じエンジンを搭載した「E2」の納入を昨年4月に開始。納入を始めたのは座席数がやや多いタイプとはいえ、優位性は徐々に失われつつある。 MRJの開発に投じられた資金は累計で7000億円近くに達しているとみられ、ピークはすぎたとはいえ今後も投入が予定されている。 小口正範最高財務責任者(CFO)は9日の会見で「1500機ぐらい販売しないといけないとなると(投資回収は)20年とか30年とかになる」と話し、“長期戦”は避けられないとの見通しを示した。 三菱重工が9日に発表した2019年3月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が1013億円の黒字(前期は73億円の赤字)に転換。今期も前期比8.5%増の1100億円を見込んでいる。同社は引き続き収益向上に努める考えだが、MRJの事業化が頓挫すればそうした努力が帳消しになりかねない。(井田通人)  ■MRJの地域別の受注状況(地域/相手先/受注機数(うち購入権)) 日本/全日本空輸/25(10) 日本航空/32 米国/トランス・ステーツ・ホールディングス/100(50) スカイウエスト/200(100) エアロリース/20(10) アジア/エアマンダレー(ミャンマー)/10(4) 欧州/ロックトン(スウェーデン)/20(10) ※ロックトンは受注に向けた基本合意

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