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send MaaS元年、参入競争が白熱 公共交通機関、実用化を見据え異業種連携に動く

2019年8月19日 月曜日

配車アプリをめぐり、国内外の大手が参入している(みんなのタクシー提供)

IT(情報技術)を活用し、地域の公共交通や移動サービスを使いやすくする次世代移動サービス「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」をめぐり、鉄道やタクシー、バスなどの公共交通機関が、異業種を巻き込んで参入競争を繰り広げている。“導入元年”となったMaaSには、自動運転、電気自動車(EV)、ビッグデータ解析などの先端技術との親和性もあり、深刻な運転手不足や交通渋滞、地球温暖化などへの解決策として期待が高まる。   アプリで事業者支援 「スマートフォンの画面を“ワンスライド”するだけのシンプルな操作で一番近くのタクシーが迎えに来ます」 今年4月から、タクシーの配車アプリサービス「S.RIDE」を始めた、みんなのタクシー(東京都台東区)の西浦賢治社長は、サービスの特徴をこう説明した。 同社は、ソニーや都内の大手タクシー5社が出資して設立。ソニーグループのアプリ開発におけるデザイン力と決済代行のネットワークと、23区を中心に1万台超のタクシーを保有する5社との相乗効果で、都内のビジネスパーソンの高頻度利用を見込む。 配車アプリをめぐっては、国内以外の大手が参入し、さながら戦国時代の様相だ。タクシー業界最大手、日本交通のグループ会社のジャパンタクシー(同千代田区)の配車アプリのダウンロード数は7月までに計800万を突破。ソフトバンクと中国の配車最大手、滴滴出行(ディディチューシン)との合弁会社DiDiモビリティジャパン(同港区)は今月8日から、東京地区でのサービスを始めた。最短30分後から2日後までのタクシー配車が予約できるのが特徴だ。ディー・エヌ・エー(DeNA)も、配車アプリ「MOV(モブ)」の全国展開を進める。 競争激化に伴い、各社ともMaaSの実用化を見据えた検討を進めており、ジャパンタクシーの広報担当者は「他の交通機関との連携を進めてシームレスな移動を実現したい」と意気込む。 MaaSのシステム基盤づくりも進む。KDDIは6月、ナビタイムジャパン(東京都港区)とともに、MaaSの実現に必要となるアプリを共同開発し、交通事業者や自治体への支援を行うと発表した。 小田急電鉄も、ルート検索大手のヴァル研究所(同杉並区)と共同で、MaaSのアプリを作る際に必要な鉄道の運行情報や地図などのデータ基盤を開発。このデータ基盤は、日本初のオープンな共通データ基盤として、他の交通事業者や自治体などが開発するMaaSのアプリに活用できる。小田急電鉄の星野晃司社長は「『会いたいときに会いたい人に会いに行ける』をキーワードに新しいモビリティーライフを広げる」と話す。   環境負荷低減も このほか、訪日外国人観光客の増加に対応しようと、日本交通や日の丸交通、三菱地所、JTBなどは11月から、空港リムジンバスと都心の自動運転タクシーが連携したサービスの実証実験を行う。 森ビルは7月までの1年間、最新の情報処理技術を使って最適な運行ルートを走るシャトルバスのサービス「オンデマンド型シャトルサービス」の実証実験を行った。米ニューヨークに本社のあるヴィアの提供するアプリを通じて、現在地と目的地を設定すると、複数の乗車希望者の目的地や車両の空き状況、渋滞情報などさまざまな情報を人工知能(AI)が瞬時に分析し、最適なルートや乗降場所が決められる。既存のバスと違い、決まった路線はなく、利用者は無数の乗降場所を利用できる。 ヴィアのサービスは、ニューヨークやシカゴ、ロンドン、パリなど世界80カ所で約200万人が登録している。導入事例では、自動運転を利用した高齢過疎地の運転士不足の問題を解決したほか、EVを利用した温室効果ガスの削減、公共バスの利用客増などの効果が報告されている。 森ビルは、実証結果を自治体や交通事業者に提供することで、交通渋滞や環境負荷など、都市交通が抱える課題の解決に寄与していきたいと話している。(鈴木正行)     【用語解説】MaaS フィンランドで生まれた概念で「Mobility as a Service」の頭文字をとった造語。公共交通機関やタクシー、カーシェア、シェアサイクルなどあらゆる交通手段を必要な時に必要なだけパッケージ化されたサービスで利用する仕組み。スマホのアプリなどで予約、決済を行う。人々の移動に関するデータが収集できることから、新しいビジネスが生まれるとの期待もある。

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