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send JR東、BRTを「地域の足」に ローカル線「仮復旧」に活用

2014年3月12日 水曜日

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安い整備費 ローカル線仮復旧で活用

 JR東日本は、東日本大震災の影響で不通となったローカル線で、バス高速輸送システム(BRT)による仮復旧を本格化させている。利用者が先細りしていたローカル線を元通りにしても採算性が低いこともあり、まずは整備費の安価なBRTによる復旧を優先させている。だが、鉄道の本格復旧を望む地元の声も根強く、JR東はBRTの利便性を向上させようと懸命だ。

 観光客誘致乗り出し

「運賃100円多く払い過ぎちゃったわ」「駅で返しますよ」。JR気仙沼線のBRT車内では、年配の女性と運転手がのんびりした会話を交わしていた。朝夕は通学の高校生たちでにぎわい、日中は沿線住民が通院や買い物に利用している。  JR東のBRTは、気仙沼駅を拠点に一昨年から段階的に運行を開始。柳津駅までの気仙沼線55.3キロメートル、盛駅までの大船渡線43.7キロメートルを走る。仮設住宅や病院がある地域に新駅を設置して、ハイブリッドの新型車両を導入。便数は従来の2~3倍に増やし、イベントなどに応じて臨時便を増発している。  昨年8月には専用ICカード「odeca(オデカ)」の利用を始め、リスのゆるキャラ「おっぽくん」も登場。鉄道運賃そのままで鉄道以上の便利さを打ち出し、住民の利用を促している。  今後は観光客誘致にも乗り出す。4月からは大きな眺望が楽しめる特別車両を導入、車内のモニターで沿線の観光情報を流す。  JTBは被災地の観光資源と震災の記憶を結びつけたツアーを実施しており、「BRTは行程に組み込める貴重な素材になりうる」(担当者)と期待する。  JR東はBRTの設置について鉄道の「仮復旧」との立場で、鉄道の復旧を断念していない。地元では「鉄道は町おこしの象徴的存在」などとして復旧を望む声もいまだ根強いからだ。  ただ、熊本義寛執行役員は「震災前に戻すことだけが復旧ではない。BRTは、地域にいま必要とされる交通手段を早く提供すべく進めてきた」とBRTの定着に含みを持たせる。

国交省、置き換え視野

 一方、国土交通省は、全国の不採算のローカル線をBRTに置き換えていくことも視野に入れる。廃線となったローカル線をBRTに転換した例では、茨城県日立市の「ひたちBRT」が一定の成果を上げている。2005年3月に廃止された旧日立電鉄線の線路跡地を譲り受けた日立市が運用。JR大甕駅-日立おさかなセンター間(3.2キロメートル)の運行を昨年3月に開始した。  運行は日立市が全面的に支援。市民の健康増進を目的に線路を転用した専用道の脇に歩行者道を併設、終点には飲食店が集まる魚市場がある。日立製作所の関連企業への通勤や通学で、平日1日の平均乗車人数は約500~600人と、採算ラインの470人を超えた。「鉄道の廃線はマイカー利用の増加が一因だが、高齢化が進めば車の運転は難しく、バスに頼らざるを得ない。BRTは地域に必要な交通手段」と担当者は話す。  日立市は日立製作所の「企業城下町」でもあり、BRTは一定の利用者数が見込める。だが、JR気仙沼線や大船渡線の沿線は震災前から人口減少が進んでいた地域で、震災後に移転した住民も多く、BRTの利用者数は現在、鉄道時の約4割にとどまっている。  JR東のBRT導入について、交通政策に詳しい横浜国立大の中村文彦教授は「被災したローカル線の仮復旧の代替としての工夫は評価できる。まずは在来線バスの再編が課題。役割分担や補完機能を考えた上でBRTがサービスを提供し、相乗効果を上げる姿が望ましい」と話す。BRT定着には、地元自治体や観光業界との協力体制の構築が不可欠だ。(藤沢志穂子)  

【用語解説】BRT

 バス高速輸送システム。専用道を使い、鉄道に準じた運行の定時制や速達性を確保するバス。鉄道に比べ整備費用が大幅に安く、地方で廃線になった鉄道の跡地を専用道として導入する例もある。海外では南米やアジアの新興国で、新しい都市計画を進める際の主要な交通網として活用される例が多い。      

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