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send JPX・東商取統合「総合取引所」今度こそ実現? 規制改革会議が後押しも残る難題

2018年11月14日 水曜日

東京・日本橋兜町にある東京証券取引所(ブルームバーグ)  

東京証券取引所や大阪取引所を傘下に置く日本取引所グループ(JPX)と東京商品取引所(東商取、TOCOM)を経営統合し、株式から商品先物まで幅広く扱う「総合取引所」を設立するという十年来の構想が、ここに来て動き始めた。政府の規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)が今月8日、今年度末までに具体的な制度設計の結論を出すよう提言を発表したからだ。ただ、関係者からは早くも反発の声が上がっており、協議が順調に進むかは見通せない。

 海外では主流 総合取引所は、株式や上場投資信託(ETF)に限らず、株価指数先物といったデリバティブ(金融派生商品)や金、原油などの商品先物まで、投資対象となるさまざまな商品を1カ所で売買できる取引所。投資家がワンストップで多様な取引に参加できるために利便性が高まり、投資の拡大が期待される。取引所側にとってもシステム運用を一元化でき、コスト削減のメリットがある。 海外では総合取引所が主流で、金融庁によると、JPXの株式時価総額が1.11兆円なのに対し、米国のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが6.03兆円、インターコンチネンタル取引所(ICE)グループが4.47兆円、中国の香港取引所が4.36兆円となるなど、グローバルな投資を多く呼び込み規模が拡大している。 日本でも第1次安倍晋三政権が2007年に総合取引所の創設を表明。それ以来、関係者間の調整を続けてきたが、なかなか進展せず、今年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」でも「可及的速やかに実現する」との文言が盛り込まれたものの、動き出す気配は見られなかった。

背景にあるのが、監督官庁間の対立だ。JPXは金融庁、東商取は経済産業省・農林水産省の所管。勧誘規制の強化で商品先物取引が減り赤字体質の東商取をJPXの傘下に収めたい金融庁に対し、OBが歴代社長を務める経産省が「単純に一緒になっても商品先物の取引が増えなければ意味がない」などとして抵抗する構図が長年続いている。

 監督官庁間に対立 12年の金融商品取引法の改正で、JPXの大阪取引所が商品先物を取り扱うことも可能になったが、経産省などとの事前協議が必要で実現していない。JPX側に商品先物のノウハウが乏しい上、東商取との間で商品先物の取引を奪い合うことも懸念材料となった。16年秋から東商取が大阪取引所のシステムを共同利用し始めたことが総合取引所構想の後押しになるともみられたが、東商取側は「別の問題」とのスタンスだ。 ただ、今年10月の第4次安倍改造内閣発足後初の規制改革推進会議で、総合取引所の実現が重点事項の1つとなり、「緊急に取り組む」と明記された。JPXと東商取も、10月23日に統合の協議入りに向けた秘密保持契約を結び、機運は高まりつつある。

今回の規制改革推進会議の提言は、こうした動きをさらに後押しするものだ。総合取引所の制度設計について、所管官庁に関係者との協議を進めるよう要求。JPXと東商取の協議が進展しない場合には、金商法を改正して「所管大臣の協議・同意条項を撤廃することを検討すべきだ」とも踏み込んだ。

これには東商取も反発し、浜田隆道社長は「協議に予断を与えるような書き方は極めて遺憾」と批判。世耕弘成経産相も同意条項に関し「商品の生産、流通に支障が生じないように確認する趣旨があり、引き続き必要だ」と廃止に慎重姿勢を示しており、協議の進展に不透明感を残した。(桑原雄尚)

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