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send GDP上方修正も楽観許さず 「中国」「内需」依然リスク

2015年12月9日 水曜日

  mca1512090500002-p1   内閣府が8日発表した2015年7~9月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は年率換算1.0%増となり、11月発表された速報値の0.8%減から大幅に上方修正された。企業の設備投資が上ぶれしたためで、プラス成長は2四半期ぶり。とはいえ、設備投資も個人消費も力強さに欠け、景気の牽引(けんいん)役は見当たらない。海外経済の不透明さも増す中、景気の本格回復を見通せず、名目GDP600兆円を目指すアベノミクスは正念場にある。   「いい意味で市場にサプライズを与えた」。甘利明経済再生担当相は同日の会見でこう述べ、上方修正を歓迎した。ただ、市場からは「個人消費も設備投資も弱く、景気の足踏み感は払拭していない」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)など、厳しい見方が上がっている。   GDP全体を押し上げたのは設備投資で、速報値の1.3%減から0.6%増へ大きく上ぶれした。速報値の後に発表された7~9月期の法人企業統計で設備投資額が大きく伸びたことを反映した。  

北米での新車販売が好調で自動車メーカーが生産能力を増強したほか、卸・小売業の新規開店や増改築が進んだ。東京都心では西武渋谷店や松屋銀座店、三越銀座店が相次いで改装し訪日客対応などを拡充。百貨店関係者は「(訪日客の増加などで)業績が上向いている今こそ、投資して来客の変化に対応しなければならない」としている。

  製造業など、なお慎重   一方、製造業などは総じて設備投資に慎重だ。7~9月期の機械受注統計は、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額が5四半期ぶりのマイナスに沈んだ。   「減速する中国からの受注のマイナス幅が膨らんでいる」(アマダホールディングスの磯部任社長)など内外情勢の不安感が増していることが、「投資先延ばしの理由になっている可能性がある」(第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト)。   GDPの6割を占める個人消費も振るわず、下方修正された。  

低調だったのは自動車、衣服など。軽自動車を含む国内新車販売台数は11月まで11カ月連続で前年割れだった。「消費増税以降、地方を中心に消費意欲が冷え、今年4月からの軽自動車増税で負担感が大きくなっている」(ダイハツ工業の三井正則社長)とみられる。

  冷え込む個人消費   景気について、政府は緩やかな回復をたどっているとの見方だ。しかし、中国経済の減速や、月内が予想される米利上げによる世界経済の変調が下ぶれリスクになり得るとみており、政府の経済財政諮問会議で民間議員を務める日本総合研究所の高橋進理事長は「外需はあてにならず、内需を強くしなければならない」と訴えている。   このため、政府は内需の2本柱の個人消費と設備投資を刺激しようと、「未来投資に向けた官民対話」などを通じ設備投資拡大や賃上げを経済界に求めてきた。  

企業数の9割以上を占める中小企業は収益力が低く、賃上げや設備投資は経営を圧迫する。賃上げの恩恵は退職した年金生活者などには及ばないといった課題もある。

  政府は15年度補正予算案で、低所得の年金受給者向けに給付金を支給する案を検討するなどしている。これに対し、「来夏の参院選目当てのバラマキ」との批判もあり、抜本的で長期的な内需強化策が求められている。

フジサンケイビジネスアイ

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