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3環状道路、最初のリングが7日完成 首都圏の交通事情はどう変わる
2015年3月2日 月曜日

【東京2020 国際都市への挑戦】3環状開通へ物流増強加速
■7日に中央環状線 隣接エリア開発進む 首都圏3環状道路のうち首都高速中央環状線が7日に全面開通する。外側の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)も2015年度中には9割近くが完成する予定で、東京外かく環状道路(外環道)も東京五輪に間に合わせようと急ピッチで工事が進む。3環状によって首都圏の道路交通事情と東京の街づくりはどう変わるのか。 《最初のリング完成》 パリや北京など世界の主要都市に整備されている高速道路の環状線を東京圏に整備する構想が打ち出されてから半世紀-。中央環状線の全面開通でようやく最初のリングが完成する。自動車交通量の多い大都市では、交通渋滞を緩和する迂回(うかい)路の役割を果たす環状道路は不可欠といわれるが、東京の整備率は64%にとどまっていた。 7日に中央環状品川線(大橋ジャンクション-大井ジャンクション)が開通することで、新宿から羽田空港までの所要時間は、都心環状線経由の40分から20分に短縮。中央環状線の内側の渋滞・混雑量も約4割の減少が見込まれている。昨年6月に東名高速、中央道、関越道がつながった圏央道でも、横浜港周辺から東京・多摩方面などへ都心を通って向かうトラックが大幅に減少した。正式な開通時期が公表されていない外環道の東名-大泉間も、20年の東京五輪までの開通を目指す。調査段階にある外環道の東名高速-湾岸線間と、13年度から用地買収に着手した圏央道の大栄-松尾横芝間の2区間を除いて約9割が完成する。
「中央環状品川線の開通で羽田空港と渋谷は近くなるが、渋谷地区への影響はあまりないだろう。東急電鉄と京浜急行羽田空港線を結ぶ蒲蒲線の実現に期待したい」とは、渋谷再開発に力を入れる東急不動産・三枝利行社長。 当初から3環状は都心部の渋滞緩和が目的で、都心環状線を利用する1日平均約47万台のうち約6割を占める通過交通を分散させるのが狙い。3環状が建設される地域では通過交通が増えるだけで、地元へのメリットが少ないとのイメージがある。それだけに「今後は3環状の整備効果をいかに広げていくか」(国土交通省首脳)が課題だ。 「品川線開通で大井地区周辺の利便性は高まるが、周辺に火力発電所も多く、新たな拠点整備の動きはない。大井埠頭(ふとう)の物流機能が高まるので、開通後に動きが出てくるだろう」と、東京都品川区の都市計画担当者は期待する。 都が昨年暮れに策定した「東京都長期ビジョン」でも、東京港の中央防波堤外側にコンテナ埠頭7バースを新設するなどの機能強化に合わせて、道路ネットワークの整備で物流を効率化する計画を打ち出した。18年度には大井とお台場を結ぶ東京港トンネルも開通する予定で、品川線と合わせて臨海部の道路網は大幅に強化される。
同じく今月開業する幸手IC(埼玉県幸手市)、五霞IC(茨城県五霞町)でも隣接エリアで開発が進む。幸手中央地区産業団地は、16年3月の土地引き渡しに向けて約50ヘクタールの造成工事が進んでおり、全17区画のうち15区画が契約済み。ニトリが物流拠点を開設することを公表している。
五霞IC周辺地区土地区画整理事業は、圏央道と新国道4号が交差する約37ヘクタールを整備する。今年1月に事業組合が設立され、事業代行に清水建設などが決まったばかり。19年度までに整備を行い、複合商業施設や物流施設などの誘致を目指す。 「13年の東横線・地下鉄副都心線の直通運転開始で埼玉方面からの観光客が増えたが、圏央道の開通で湘南エリアへの観光客をさらに呼び込みたい」と、観光面での効果に期待するのは神奈川県だ。13年に神奈川県を訪れた観光客数は直通運転効果などで過去最高を記録しただけに、圏央道開通に合わせて埼玉県と共同で初の観光キャンペーンを展開する力の入れようだ。