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send 16年度予算成立 景気最優先、遠のく財政健全化 過去最大96兆7218億円

2016年3月30日 水曜日

  一般会計の歳出総額が過去最大の96兆7218億円に上る2016年度予算は、29日夕の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。夏の参院選を控え、子育て世代や地方に配慮したのが特徴。中国の海洋進出を念頭に離島防衛を強化するため、防衛費は初めて5兆円台となった。   社会保障費は31兆9738億円を計上。政権が掲げる「1億総活躍社会」関連に約2兆4000億円を用意し、幼児教育の無償化拡大や、保育の受け皿を50万人分確保する目標などに振り向けた。   防衛費は1.5%増の5兆541億円。政府開発援助(ODA)は17年ぶりの増額とした。人口減少対策に取り組む自治体向けとして、新型交付金1000億円を盛り込んだ。   地方税収が伸び、自治体に配る地方交付税は1.6%減の15兆2811億円。税収は57兆6040億円を見込み、新規国債発行額は34兆4320億円とした。   安倍晋三首相は同日、16年度予算成立を受けて官邸で記者会見。新たな経済対策の策定に関し、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での議論を踏まえ検討する考えを表明した。「議長国として責任を果たす。持続的で力強い成長を実現するため、どう貢献していくか議論を尽くし見極めたい」と述べた。  

経済情勢に関し「日本経済が回復傾向にあることに変わりない」と指摘する一方、中国経済の減速などを挙げ「世界経済の不透明さが増しているのも事実だ」と述べた。

  来年4月に予定される消費税率10%への引き上げに関し、リーマン・ショックや東日本大震災級の事態が生じない限り実施する考えを重ねて示した。夏の衆参同日選に関し「衆院解散は頭の片隅にもない」と述べた。   政府は2016年度予算の成立を「最大の景気対策」として、前倒しの執行に乗り出す。さらに、個人消費を中心に国内景気が弱含んでいると判断して、政府は緊急経済対策を盛り込んだ16年度補正予算案を編成し景気後退を防ぐ考えだ。ただ、経済最優先の政権運営により財政再建は後回しとなっており、20年度を目標としている基礎的財政収支(PB)の黒字化は見通しにくくなっている。   16年度予算には、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた介護施設拡充などの施策や、公共インフラの老朽化対策といったメニューをずらりと並べた。そのため、政策に必要な経費は73兆1097億円と過去最高を更新した。  

政府はこれらを前倒しし重点的に執行する考え。安倍首相は29日の記者会見で、「最大の景気対策である16年度予算の実を上げるには早期に執行することが重要だ」と強調。公共事業を中心に秋までに執行を集中させるとみられる。ただ、それ以降は執行案件が減るため、政府は総額5兆円超の16年度補正予算案を編成し、切れ目なく景気刺激につなげる。麻生太郎財務相は同日の会見で「景気下振れリスクに対応していく」と編成の可能性をにおわせた。

  しかし、矢継ぎ早の経済対策で歳出が膨張することで財政健全化への取り組みは遅れそうだ。日本の財政は深刻な状況にあり、国・地方の借金は1000兆円超と、国内総生産(GDP)の2倍の水準だ。政府は20年度にPB黒字化を目指すが、内閣府の試算では、名目3%以上、実質2%以上の高成長でも6.5兆円の赤字が残る。   消費税増税が先送りになれば、予定していた税収がなくなり、財政状況はさらに厳しくなる。歳出拡大にあたっては、徹底した効果の検証も欠かせない。(中村智隆)

フジサンケイビジネスアイ

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