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send 電機各社、デザイン重視の家電開発でしのぎ 価格と機能勝負から脱却

2015年9月25日 金曜日

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電機各社が“デザイン”に注力した家電開発でしのぎを削っている。機能面での明確な差別化が難しくなる中、デザインに新たな価値と市場を見いだそうとしている。家電をインテリアの一部として捉えて快適な空間を演出することで、購入意欲の向上につなげたい考えだ。欧米など海外メーカーに国内家電市場が侵食される中、価格と機能だけの勝負からの脱却を目指す。

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顧客の価値観も変化

「デザインを通じて、新たな家電の魅力を創出したい」と語るのはパナソニックアプライアンス社の原昭一郎副本部長だ。 パナソニックは今月、ななめドラム洗濯機「キューブル」を発表した。新製品は外観を従来の曲線から直線中心の角張った形状に変更し、インテリア空間に合わせたデザインにしたのが特長だ。 空間に調和するデザインにこだわった洗濯機を開発した理由について、原副本部長は「(機能面などの)数字で測れない家電の価値を見落としていた」と説明する。  

国内家電市場は競合する商品でメーカー間の差別化が困難となるコモディティー化が進み、パナソニックは生産数量の拡大やコスト面での競争力強化に事業の重点を置いてきた。だが、家電の魅力を見直した結果、デザインを変えるだけで空間の雰囲気が様変わりし、利用者の掃除や洗濯、料理に対する価値観も変えられることに気付いたという。グループの住宅関連事業とも連携し、今後も空間と調和した家電を投入する方針だ。

  シャープも8月に、イオンで空気を除菌する「プラズマクラスターイオン発生機」を搭載した空気清浄機と加湿器で、デザインを重視した新シリーズ「S-style(エス・スタイル)」を発表した。高機能を売りに、空気清浄機の需要を創出し、市場をリードしてきた同社だが、なお国内での空気清浄機の普及率は5割程度にとどまる。「デザインやスタイルにこだわった新製品の投入で、非保有者にアプローチしたい」(プラズマクラスター機器事業部の冨田昌志副事業部長)という。  

また、同社は10月から経営再建へ向けてカンパニー制に移行するが、社長直轄の「ブランディングデザイン本部」を立ち上げ、家電のデザインを強化し、新規顧客の開拓を狙う。

  三菱電機も8月にインテリアに調和したルームエアコン「霧ヶ峰FLシリーズ」を開発した。角形のスタイリッシュな形状とし、本体カラーを赤色にした斬新なデザイン。同社は掃除機などでも、デザイン重視の商品を開発している。   一方、日立製作所も乗り心地のいいデザインを追求した昇降機を今月発表した。工業デザイナーの深澤直人氏が監修し、かご全体からボタンまで角を極力排除し、丸みを帯びたデザインを採用した。深澤氏は「利用者が無意識に乗り心地の良さを感じられるようにした」と話す。  

最近の国内の家電市場は、サイクロン式掃除機の英ダイソンやお掃除ロボット「ルンバ」の米アイロボット、布団クリーナーの韓国レイコップなど海外メーカーが急成長。コモディティー化が進む中でも差別化できる機能やデザインを追求し、需要喚起に成功している。

  市場拡大へ試行錯誤   国内の電機各社はテレビの高精細化に象徴される先進技術による機能向上にこだわってきた。だが、それが必ずしも市場拡大につながらない現実に直面している。技術一辺倒ではないデザイン重視の開発は、そうした状況の打開を目指す動き。まだ各社とも試行錯誤の段階だが、開発姿勢の変化が画期的な製品を生み出す可能性もある。(黄金崎元)

フジサンケイビジネスアイ

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