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send “金メダル支援”予算増で火花 1個税金100億円「国民の理解得られるのか」

2014年11月12日 水曜日

mca1411120500010-p1 2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの予算をめぐり、財務省と文部科学省が早くも火花を散らしている。政府の目標は自国開催の東京五輪で「金メダル30個で世界3位」に入ること。「目標達成のためには、選手強化費用の大幅増が不可欠だ」と主張する文科省に対し、財務省は「五輪を『錦の御旗』とした予算ばらまきの温床になりかねない」と警戒する。1000兆円という国の借金を改善するための財政再建と、日本人選手の金メダルラッシュへの支援は、果たして両立できるのか。   1個当たり税100億円 「金メダル1個に税金を100億円もかけて、国民の理解が得られるのか」 財務省は15年度予算の概算要求で、五輪の選手強化予算など前年度比2倍超の計540億円を求めた文科省に対し、怒りを隠さない。社会保障費の歳出削減や消費税増税、保険料の値上げなどで家計の負担が増す中、文科省の要求が「あまりにどんぶり勘定で、時代に逆行した内容」(財務省)とみているためだ。   例えば、選手強化費である「競技力向上事業」の要求額は117億円で前年度から2.4倍に膨らんだ。財務省によると、約30の各競技団体に文科省が予算の希望額を聞き取り、それをほぼ単純合算した結果で、費用対効果の検証が十分に行われた形跡はうかがえない。   実際、東京都渋谷区内に事務所を構えるある競技団体は財務省のヒアリングに対し、「予算の使い道は精査していない。お金はたくさんあったほうがいいから多めに要求した」と話し、予算要求は“言い値”に近い状況だという。   文科省は学校で五輪の歴史を教えたり、地域の国際交流事業を開催する「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント推進事業」を新規で24億円要求したりした。だが、財務省は「全て民間でできること。このままではゼロ査定だ」と手厳しい。   財務省が警戒するのは、五輪メダル獲得費用の“高コスト化”だ。夏季五輪でみると、12年のロンドン五輪は金メダルが7個で、メダル獲得総数は38個。直近4年間の強化費計616億円で割ると、金メダル1個で88億円、銀や銅を含めたメダル1個当たりでみると16億円かかった計算だ。   強化費は年々増加する一方、金メダルの数は04年のアテネ(16個)以降、減少している。さらに東京五輪では、国立競技場の改修(総工費約1600億円超)や、最先端の設備をそろえるナショナルトレーニングセンターの増床(同約400億円)など五輪関連経費は大きく膨らむ見込みだ。メダル数が大きく伸びなければ「金メダル1個100億円」という試算は的外れではなさそうだ。   諸外国に比べて少ないスポーツ投資 一方、文科省は日本のスポーツ関係予算が諸外国に比べて少ないことを強調する。同省によると、国内総生産(GDP)に占めるスポーツ予算(学校体育関連を除く)は英国が日本の10倍、フランスは11倍、スウェーデンが13倍、カナダが4倍。同じアジアでも中国は1.7倍、韓国は5.2倍だ。   同省競技スポーツ課は「ライバル国に負けない環境整備に先行投資もせず、選手にメダルという高い結果を求めるのは酷だ」と反論する。   ■競技力底上げへ厳しく選別 ただ、文部科学省は選手強化費の配分について大きく転換する方針。来年4月以降、これまで日本スポーツ振興センター(JSC)や日本オリンピック委員会(JOC)など複数の団体が各競技団体に予算を配分していたのをやめ、新たな独立行政法人が一括して各団体に配分する仕組みにする。予算の透明性を高め、予算増額に理解を得たい考えだ。   競技力の底上げに向けた選別も厳しくする。英国は1996年アトランタ五輪で金がたった1個だったが、2008年の北京五輪で金19個、自国開催の12年ロンドン五輪で金29個を獲得した。予算配分する競技の選択と集中を進めた結果で、日本はこの英国を手本に金メダル数の増加を狙う。   一方、国際公約の20年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標はめどがたっておらず、厳しい財政運営は今後も続く。   超党派の「2020年東京五輪・パラリンピック大会推進議員連盟」は、大会運営費などで1000万人の個人寄付を募る構想を示すなど、国費以外で費用をまかなおうとする動きも出ている。限られた予算の中、政府が掲げる「金メダル30個」の実現に向け、強化費の増額をメダルの色に反映させる仕組みづくりができるか、政府の本気度が問われる。(小川真由美)

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