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send 質より量、外食救う“多収米” コスト面で注目、大規模農家中心に浸透

2019年7月29日 月曜日

「カレーハウスCoCo壱番屋」向けに多収米「ほしじるし」を生産する水田=5月、岐阜県養老町

コシヒカリやあきたこまちといったブランド米より収穫量が多く値ごろ感のある「多収米」の生産が広がり始めている。コメ価格が高止まりし、外食チェーンや弁当、おにぎりなどの中食で値上げの動きが相次ぐ中、コスト面から“救世主”として注目度が上昇。大規模農家を中心にじわじわと浸透が進み、各地の農協も本腰を入れ始めた。   お値打ち感に商機 濃尾平野の西端に位置する岐阜県養老町。水田に黄色い看板が立つ。「カレーハウスCoCo壱番屋」のロゴマークだ。 「身近な店で使われることで収入の見通しが立ち、農家もやる気が出る。店も安いコメを探し回る必要がなく、互いの利益になる」。JAにしみの(岐阜県大垣市)の伊藤孝宏販売課長は強調する。管内の農家とCoCo壱番屋の運営会社に販売する多収品種の「ほしじるし」を栽培。豊作に向け作業に余念がない。 背景には、原材料高や人件費上昇で外食産業の収益が厳しいことがある。CoCo壱番屋でも3月に主力商品を値上げした。同JAと取り組みを始めて2年目だが、一定の手応えを感じており、約20ヘクタール分だった取引量を今年はさらに拡大する。 「今求められるのは、とびきりのおいしさよりも、お値打ち感。ビジネスチャンスはある」。埼玉県羽生市で多収米に取り組む熊倉光男さん(78)は力説する。コメの生産調整(減反)が昨年廃止され、農家は自由な生産が可能になったが、値崩れを懸念する多くの産地が増産を見送り、ブランド米に傾斜。逆に割安な多収米のニーズが高まっているためだ。 新潟県や富山県、滋賀県などで作付けの広がる「あきだわら」や、秋田県や宮城県などの「萌えみのり」が代表格で、収量が4割ほど多くなる例も。食味の点から価格は1~2割安いが、熊倉さんは「全体の収量でカバーでき、稼ぎは増えた」と話す。一般的なコシヒカリの収量は10アール当たり500~540キロ程度で、栽培適地でのほしじるしは650~700キロだが、熊倉さんの水田のほしじるしは昨年は753キロを記録した。   農協も検討会 参戦の動きはブランド米の頂点に立つ新潟・魚沼にも広がる。新潟県十日町市で水田100ヘクタール以上を経営する農業法人の櫃間英樹社長(55)は「コメの産地銘柄をうたう飲食店は意外と少なく、ブランドは本当に必要なのかと悩むようになった」と明かす。主力のコシヒカリ以外にも、戦略的に多収米を増やしてバランス経営を目指す。 新潟県のJAえちご上越(上越市)は今年6月、多収米の適切な栽培方法を広める検討会を立ち上げた。コシヒカリに慣れた農家の不安を払拭するのが目的だ。弁当向けなどに引き合いも強く、今年の管内の作付けは約1000ヘクタールと、2年前の10倍以上に急拡大している。

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