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send 苦境のLCC、大手傘下が攻勢 コロナ後見据え新路線

2020年10月21日 水曜日

見送りを受け、成田空港を出発する「ジップエア トーキョー」の旅客機=16日午前

新型コロナウイルス感染拡大による需要急減に苦しめられてきた格安航空会社(LCC)で積極策が出始めた。日本航空傘下のLCCとして誕生した「ジップエア トーキョー」(千葉県成田市)は今月、初の旅客便を就航。ANAホールディングス傘下のピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)も国内線の新路線を12月に就航させる。苦境が続くLCCでは事業を断念する企業も出ているが、大手傘下の2社がコロナ後に向け、生き残りを模索している。

「安心安全のオペレーションを確立し、太平洋を渡る最初のLCCになりたい」。ジップエアの西田真吾社長は16日、初の旅客便就航に夢を描いた。

この日就航したのは成田-ソウル(仁川)間の旅客便。ジップエアは当初、5月のバンコク線就航で旅客便をスタートする計画だったが、コロナ禍で貨物便としての就航を余儀なくされた。ソウル便も7月に貨物便として就航しており、計画から5カ月遅れの旅客便となった。

日韓間は8日にビジネス目的の往来が再開したばかり。初便の乗客は290の座席に対し2人という厳しさだった。それでも米西海岸やハワイなどへの新路線展開に向けた準備との意味合いもあり、バンコク線も28日から旅客便として運航を始める。

ピーチは12月に同社初の中部空港路線となる札幌線と仙台線を就航する。ピーチは16日に、国内線に今後導入する燃費効率を20%向上した新機材「エアバスA320neo(ネオ)」を関西空港で報道陣に公開。国際線への導入も検討するなど新機材をフル活用する考えだ。

LCCでは、中部空港を拠点とするエアアジア・ジャパンがコロナによる需要急減を受けて事業継続の断念を表明した。ピーチは政府の観光喚起事業「Go To トラベル」やコロナ後の需要回復に期待を込め、エアアジアに代わって中部空港路線を就航する形だ。

航空業界の苦境の中で、ジップエアやピーチが攻勢をかけることができる事情について、航空関係者は「エアアジアは独立系で財務基盤が厳しかったが、ジップエアやピーチは大手の傘下で比較的安定している」と話す。ただ、これまでLCCを支えてきた訪日客の回復が見込めないなど、苦しい経営環境が長期化する可能性も高い。

日航の赤坂祐二社長は、ジップエアのほか、資本業務提携するジェットスター・ジャパン(千葉県成田市)などLCC各社と連携して、国際線や国内線の乗り継ぎをスムーズにするなどの戦略で旅行客を取り込む考えを示している。LCCは今後、大手との協力を深めることで生き残りへの活路を開く必要がありそうだ。(大坪玲央)

 

主なLCCや中堅航空会社の状況
  ピーチ・アビエーション/12月から中部空港に就航。札幌と仙台に新路線
  ジップエア トーキョー/16日に初の旅客便となるソウル線を就航
  エアアジア・ジャパン/12月5日付で国内と国際計4路線を廃止し、事業を廃止
  ジェットスター・ジャパン/10月下旬から来年3月下旬までの冬ダイヤで成田-庄内など国内6路線を運休
  スカイマーク/11月は10路線を計画通り運航し、減便率は14.3%と10月の37.5%から回復
  ソラシドエア/11月の減便率は18%と10月の40%から回復

フジサンケイビジネスアイ

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