就活お役立ちビジネスニュース

send 自動車産業、国際合従連衡に難 FCA、ルノー統合案を撤回 仏政府の介入批判

2019年6月7日 金曜日

欧米大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は6日、フランス大手ルノーへの経営統合提案を撤回したと発表した。ルノーの筆頭株主のフランス政府が経営統合計画に過度に介入したとFCAが判断し、撤回を決断したもようだ。日産自動車の支持が得られなかったことも影響した。ルノーと企業連合を組む日産、三菱自動車を含む世界最大の自動車グループを目指す計画は白紙となった。FCAは他社との提携や統合といった代替戦略を模索することになりそうだ。 ルノーは5日深夜ごろまで取締役会で協議した。関係者によると、日産側が送り出している取締役2人が統合案への支持表明を保留。フランス政府側も日産の支持が条件などとして採決を延期するよう要求した。ルノーによると、延期要求により結論が得られなかったという。その後FCAが提案撤回を決めた。フランス政府は、FCAやルノーに対して経営統合した場合の取締役ポストを要求。国内の人員削減や工場閉鎖といったリストラをしないよう求めていた。 FCAは声明で、提案の合理性に自信を示しつつ「成功裏に進めるための政治的な条件がフランスには存在していない」と指摘しフランス政府の対応を批判した。(パリ 共同)  

  ルノーとFCAとの経営統合計画が白紙に戻ったことは、国境を越えた自動車大手同士の統合や資本提携の難しさを改めて印象づけた。自動車は主要産業だけに、自国メーカーへの政府の思惑も大きく影響する。自動運転や電動化技術がビジネスモデルを大きく変える大変革期を迎えているだけに、合従連衡は巨額の開発投資を分担できる有効な手段でもあるが、統合には膨大な時間やコストもかかることから慎重な見極めも重要だ。 FCAが声明で指摘したように、ルノー筆頭株主の仏政府の介入が統合案の撤回につながった。フィアットを抱えるイタリア政府も、同国に利益がなければ介入する姿勢を示しており、「統合が実現していれば、企業連合の意思決定プロセスは複雑化していた」(日産関係者)のは必至だ。 フィアットと米クライスラーを分けて考えると、日仏伊米と4カ国にまたがる企業連合になり、利害関係の調整も難しくなっていた。国籍によって企業文化が異なり、融和が難しいことは、クライスラーと独ダイムラーの「世紀の合併」が失敗した原因にも挙げられる。 かつては規模を拡大して部品の調達力などを上げる目的の連携が多かったが、将来のビジネスモデル変革を控え、他社の工場など新たな固定費を抱えることはリスクも伴う。先月末、ルノーから統合案の説明を受けた三菱自動車の益子修会長兼最高経営責任者(CEO)は「健全な経営のために必要なものは、(販売の)数だけではない」と指摘していた。(高橋寛次)  

  自動車業界の国際合従連衡の破談・解消例 ・独BMWが買収した英ローバーを売却(2000年) ・米ゼネラルモーターズ(GM)が伊フィアットとの提携解消(05年) ・独米ダイムラークライスラーが三菱自動車との資本提携解消(05年) ・ダイムラークライスラーがクライスラー売却、合併解消(07年) ・スズキが米GMとの提携解消(08年) ・三菱自と仏プジョーの資本提携協議破談(10年) ・スズキが独フォルクスワーゲンとの資本提携解消(15年) ・米フォードがマツダとの資本提携解消(15年) ・仏PSAと欧米FCAの合併協議破談(19年)

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ