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send 老舗百貨店「地元化」で挽回 銀座・日本橋再開発、共生アピール

2014年4月9日 水曜日

bsd1404082242004-p1    都心の再開発ラッシュをにらみながら、高島屋と三越伊勢丹ホールディングス(HD)、J.フロントリテイリングが、JR東京駅に近い東京都中央区に置く旗艦店のリニューアルに相次いで乗り出す。都心の街づくりは大手不動産が主導し、大手百貨店は蚊帳の外となるケースが多かったが、銀座や日本橋といった日本を代表する商業地域の核として存在感を維持し、求心力を高めるのが狙いだ。消費者の志向が多様化する中で画一的な店舗運営は限界に来ており、リニューアルを機に地域の土地柄やニーズに応じた魅力を発信し顧客の取り込みにつなげる。    「人を集めるためには地域との共生が不可欠だ。地域と一緒になって街をつくっていく」    高島屋の亀岡恒方・執行役員日本橋店長は高島屋日本橋店を改装する狙いをこう説明する。2019年春の全面オープンを目指し、4月から本格的な改装作業に着手するだけでなく、周辺の地権者らとともに再開発組合を作り、「日本橋二丁目地区」の再開発にも動き出した。    百貨店や高級ブランドが並ぶ銀座地区が外国人観光客を取り込み、丸の内地区は再開発によってオフィスと商店が共存する新たな街に変容してきた。そうした中、両地区に近い日本橋地区は「土日に休業する飲食店が多い」(亀岡氏)こともあり、買い物客や観光客の争奪戦で出遅れた感が否めない。   ■新たな街づくりの要なるか  日本橋二丁目地区の再開発では街区の周辺には遊歩道を設け、屋上緑地などの休憩場所も取り入れて街歩きに重点を置く。国の重要文化財に指定されている本館は現状を維持するが、新館と北館は30階程度の高層ビル2棟に生まれ変わる。    新館は主にオフィスビルとして利用。北館は低層部に商業施設が入り、高層部にオフィスが入居する2層構造を採用する。低層部の商業施設について、亀岡氏は「今までの百貨店の品ぞろえを根底から覆すことが必要になるかもしれない」と話し、百貨店的な発想にとらわれない施設となる可能性を示唆する。    日本橋地区では3月に三井不動産の「コレド室町2」「同3」が開業。住友不動産も17年の全館開業を目指す複合施設を手掛けるなど、大手不動産による再開発が相次いでいる。    百貨店各社は同じ有名ブランドを取り扱うなど「金太郎あめ」と揶揄(やゆ)され、店舗展開の同質化が指摘されて久しい。一方で、三越伊勢丹HDが伊勢丹新宿本店(東京・新宿)で成功した東京流の手法を持ち込んだJR大阪三越伊勢丹が不振を極めるなど、地域の特性に応じた店作りも改めて求められている。    そうした中、日本橋三越本店は伝統文化や生活スタイルを重視した売り場へと転換する。周辺の再開発で日本橋地区を訪れる20~40代の人が増えていることから、16年度までの全館改装で商品の展示場所を減らし、従業員と会話を楽しみながら買い物ができるスペースを増やす。    街づくりにも参画し、周辺施設と連携しながら「文化の発信基地として街の魅力を打ち出していく」(同店)ことで、店の集客にもつなげる考えだ。    器そのものの見直しを決断したのがJ.フロントリテイリング。松坂屋銀座店の跡地を含む地域の再開発事業に、百貨店としての出店を見合わせた。    施設の開発・運営には森ビルのほか、高級小売店舗に強いルクセンブルクの不動産開発投資ファンドが加わり、高級ブランドを展開するLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが施設の一部を取得。観光バスの乗降所を備え、外国人の銀座観光の一角を担う施設を目指す。    2020年の東京五輪を控え、国内外の観光客らを奪い合う小売り大手の地域間競争が激しさを増すのは間違いない。既存の百貨店の殻を打ち破り、新たな街づくりを目指す地域の要となることができるかが優劣の行方を握りそうだ。(松岡朋枝)

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