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send 稼働率伸び悩むNISA 女性と若年層開拓、伸びしろ期待する証券各社

2015年3月13日 金曜日

    bse1503130500002-p1   「貯蓄から投資へ」の流れを推進しようと、昨年1月に鳴り物入りでスタートした少額投資非課税制度(NISA)が、2年目を迎えた。しかし、すでに開設されたNISA口座のうち、実際に投資した人の割合は半分以下にとどまる。激しい口座獲得合戦を繰り広げてきた証券業界だが、口座の稼働が高められないと「貯蓄から投資」も絵に描いた餅になりかねない。2年目は正念場の年になりそうだ。   獲得合戦のツケ? 2月14日にSBI、カブドットコム、マネックス、楽天のインターネット証券4社が東京都内で開催した投資信託の共同イベント「ネットでNISAフォーラム in Tokyo」。パネルディスカッションやトークショーのほか、投資信託運用会社がブースを設置し、多くの投資家らが参加した。マネックスグループの松本大社長は「日本もデフレから抜けて緩やかなインフレになる。資産を増やすためのアイデアや気づきを提供していきたい」と呼び掛けた。   個人投資家の裾野を広げようと導入されたNISA。年間100万円までの投資なら、株式、投資信託の売却益や配当が非課税になる   金融庁は10日、NISAを通じて上場株式や投資信託などを買った総額が、昨年12月末までの1年で2兆9797億円(速報値)に上ったと発表した。6月末に比べてほぼ倍増。NISA口座数は同月末時点で824万と、半年で約13%増えた。制度導入時に政府が目標に掲げた2020年に1500万と比べ、半分強となっている。   ただ、日証協の調査によると、NISA口座を開いたものの利用していないケースも多く、活用はいま一つだ。主な証券会社10社で開設されたNISA口座のうち、実際に株式や投資信託などを買った割合は同月末時点で45.1%と半分にも満たなかった。過半数の約55%が休眠口座になった計算だ。   「当初の想定よりも相当低いと言わざるを得ない」。日本証券業協会の稲野和利会長は1月の定例会見で低稼働率を認めたうえで、「(今後は)60~70%の利用を目指し普及活動に取り組む」と強調した。   稼働率が低迷する要因の一つとして、NISAスタート時の口座開設事務手続きに時間がかかりすぎたことが挙げられる。各社は口座開設の事務作業が集中し、最長3カ月程度かかる場合もあったという。   さらに日経平均株価がNISAスタート時の1万6000円台から、1カ月足らずで一時1万4000円台に下落し、口座を開いた投資家の心理を冷やした可能性も。「各社が激しい口座開設獲得を繰り広げたツケが回ってきた」との声もある。   「証券会社の営業マンに強く勧められたから」「テレビCMを見て、自分もやらないと損するような気がした」 口座を開設した人からはこんな声も漏れる。強い勧誘やつき合いで口座開設したケースも見受けられ、必ずしも投資に積極的な顧客ばかりではなかった。結果的に顧客対応がおろそかになり、これも休眠口座の増加につながっている面もあるようだ。   最大手の野村証券の口座数は昨年末時点で146万口座。持ち前の営業力で口座数を積み上げたが、稼働率は40%台で推移しているとみられる。   伸びしろ期待 こうした中、反転攻勢をかけるべく各社が力を入れるのが女性や若年層の開拓だ。金融庁によると、昨年6月末までの買付総額に占める年代別の構成比で、20~30代は約9%にとどまっており、伸びしろが期待できる。 野村証券は女性社員による「NISAチーム」を立ち上げ、全国でセミナーやイベントを通した活動に力を注いでおり、女性客を重点にNISA活用をアピールする。   また、SMBC日興証券は大学生と連携した取り組みを始めた。コピー用紙の裏面広告を使ったビジネスを手がけるベンチャー、オーシャナイズ(東京都渋谷区)と共同プロジェクト「UNISA(ユニーサ)」を発足。大学生をメンバーに入れ、専用ウェブサイトの運営や、イベント開催を通じてNISAの認知度向上を図る。   一方、ネット証券は投資信託の販売にNISA口座の盛り上がりを託す。ネット証券に限れば、NISA口座の稼働率が60%以上の証券会社もあるが、その多くは株取引。認知度の低い投信販売をアピールするため、4社共同イベントを開催した。   ネット証券は金融グループにあまり縛られず、多くの商品を取り扱える。豊富な商品ラインアップと手数料の安さを売りに販売を伸ばす戦略だ。SBI証券の高村正人社長は「選択肢が多く、顧客志向に合わせて運用商品を選べる」と強調。マネックスの松本社長も「銀行で販売している投信よりも手数料が安い」と優位性をアピールする。   今年に入り、株式市場をめぐる環境が好転しているのも、NISA普及を後押ししそうだ。12日の日経平均株価の終値は前日比267円59銭高の1万8991円11銭と約14年11カ月ぶりの高値だった。個人投資家の投資判断に好印象を与える株主優待を実施する企業は、2月末で全上場企業の31.1%に当たる1196社となり、過去最多となった。16年には非課税枠が120万円に増え、子供版のNISAも始まるなど、制度の使い勝手も良くなる。NISA2年目の今年は、業界として成果を問われる節目の年となりそうだ。(大島直之)

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