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send 税逃れ“いたちごっこ”を阻止 パナマ文書21万4000社公開

2016年5月11日 水曜日

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政府、G7で協調も

  国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は10日、パナマ文書問題に関連し、パナマや英領バージン諸島など世界21カ所のタックスヘイブン(租税回避地)に設立された約21万4000社の法人と、関連する約36万の企業や個人の氏名、住所のデータベースをホームページ上で公開した。日本関連とみられる個人や法人名約600件も含まれていた。租税回避地での法人設立自体は合法だが、マネーロンダリング(資金洗浄)や資産隠しなどに悪用されている可能性がある。   公表されたデータは、ICIJが2013年に公表した租税回避地の利用法人のデータベースに追加された。法人名や関連する個人の氏名、住所で検索することができる。日本企業では大手商社の丸紅、伊藤忠商事や、インターネット通販大手、楽天の三木谷浩史会長兼社長の名前が記載されている。   ICIJはデータベースを規制当局や一般市民がチェックすることで、新たな事実が見つかる可能性があるとしている。ただし文書そのものに含まれていた銀行口座や金融取引の内容、電子メールでのやり取りなどは公開していない。   パナマ文書問題に対し、各国では税務当局による実態解明とともにタックスヘイブンを使った課税逃れを阻止する国際的な枠組み強化が急務になっており、日本政府は26、27日に開かれる先進7カ国(G7)の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で各国に結束を呼び掛ける。  

氷山の一角

  「問題がある取引があれば税務調査を行う」   麻生太郎財務相は10日の閣議後会見でこう述べた。   日本には「タックスヘイブン対策税制」があり、企業が法人実効税率20%以下の租税回避地につくった実体のないペーパーカンパニーの所得は親会社の所得とみなされ、日本で課税される。調査で隠蔽(いんぺい)が立証できれば、本来の税額に35%分の加算税を上乗せして追徴課税することになる。   財務省幹部は「パナマ文書は氷山の一角にすぎない」と指摘する。租税回避地を使った課税逃れの仕組みは複雑で、規制強化を図る各国当局と、抜け道を探る企業や富裕層などの“いたちごっこ”が続いているのが実情だ。   国際的な課税逃れを防ぐには多くの国が足並みをそろえ、抜け道を封じるしかない。   経済協力開発機構(OECD)は非居住者の金融口座情報を各国の税務当局で自動的に交換する枠組みや、多国籍企業の行き過ぎた節税を防ぐための国際ルールをまとめ、歯止めをかけようとしている。だが、肝心の租税回避地が参加していなかったり、新興国が消極的だったり対策は道半ばだ。  

麻生財務相は「日本として国際的な脱税の防止に積極的に取り組む」と述べ、G7の議長国として議論を先導する意向を示した。実体のないペーパーカンパニーから実際に利益を得ている人物を各国が把握する新たな枠組みづくりなどを呼び掛ける方針だ。

  実効性ある対策急務   消費税増税や法人税減税が行われる中、企業や富裕層の課税逃れに対する国民の視線は厳しくなっている。政府はG7などで国際協調を主導し、実効性のある対策を打ち出すことが欠かせない。(万福博之、ワシントン 小雲規生)   ■租税回避地を使った税逃れへの対策   ・タックスヘイブン対策税制   日本企業が法人実効税率20%以下の租税回避地に実体を伴わないペーパーカンパニーをつくると、子会社の所得を親会社の所得とみなして課税 ・非居住者の金融口座情 報の自動交換 非居住者の銀行口座などの情報を各国の税務当局が年に1回定期交換 ・多国籍企業の租税回避を防ぐための国際課税ルール 特許など知的財産を低税率国に移す節税をチェックして追徴課税するなど、15の国際課税のルールを設定   【用語解説】パナマ文書   タックスヘイブン(租税回避地)での法人設立を代行するパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の内部資料で、1150万通に及ぶ。欧州の有力紙、南ドイツ新聞を通じて国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手し、各国首脳らの金融取引の実態を暴いた。ICIJは、資料から21万社以上の法人、それに関連する約36万の企業や個人の名前、住所をリスト化し、10日にホームページ上で公表した。    

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