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send 災害対策後押しする団体保険注目 損保ジャパン、自治体の避難所開設費など補償

2018年10月29日 月曜日

西日本豪雨で浸水した住宅(左上)、北海道の地震の被災地(右上)、避難所で炊き出しに並ぶ人たち(左下)、台風24号接近で岸に打ち寄せる高波(右下)のコラージュ

今年の日本列島は大型台風や豪雨、地震と自然災害が相次ぐ。被害の発生に地方自治体が身構える中、避難所開設などの費用を支払い、住民被害を防ぐための迅速かつ適切な避難指示・勧告などの発令を後押しする保険が注目を集めている。損害保険ジャパン日本興亜が2017年度に売り出した団体保険で、初年度は150超の自治体が保険のおかげで費用負担を免れた。財政負担の軽減につながることから18年度は加入自治体が倍増、支払件数も上半期(4~9月)だけで150件以上が見込まれており、存在感は高まるばかりだ。

この保険は、団体契約者として全国市長会が17年4月に、全国町村会が同5月にそれぞれ「防災・減災費用保険」「災害対策費用保険」の名称で取り扱いを始め、自治体に加入を促している。   心理的不安を払拭 11年3月の東日本大震災以降、住民の生命を守るため早期の避難勧告などを発令する自治体が増えているが、これに伴い避難所の設置や食料・飲料品の供給、生活必需品の提供といった費用負担が発生している。国の災害救助法が適用されると国と都道府県が費用を負担するが、17年度に発令された避難勧告約2000件のうち災害救助法が適用されたのは120件超と1割にも満たない。18年度上半期も900を超す自治体が避難勧告を発令したが、災害救助法に適用されたのはわずか117自治体にとどまる。 適用されなければ、全ての費用は自治体が賄わなければならない。しかも予想通りに台風や豪雨が到来しなくても、被災に備えれば、避難所開設などの費用は発生するため、人口減少などで財政の厳しい自治体の中には早期の避難勧告発令をためらうところもあるという。 こうした心理的負担を軽減するため、損保ジャパン日本興亜は災害時の活動費用を補償する保険を開発した。団体・公務開発部第三課の横井英二課長代理は「発令権限を持つ市町村長は(予想通り到来しない)空振りの恐れがあっても避難勧告を発令せざるを得なくなっている。保険加入で費用を心配することなく早めに出せる」と指摘。実際に躊躇(ちゅうちょ)することなく避難勧告を出す自治体が増えたという。

それだけに自治体の関心は高い。「最近では異常気象により台風や豪雨と縁のなかった地域でも被害にあっている」(全国町村会の野口健保険部参事)ため、加入を呼びかけたところ初年度は約900町村のうち約100町村が加入。支払いは115件、8200万円に達した。「加入していてよかった」と胸をなでおろした自治体は少なくなく、18年度は約100町村が新たに加入した。

補償内容を改めたことも奏功した。18年度から「消防団員の出勤手当」を新たに補償、全国町村会では19年度から「地震・噴火・津波に起因する避難勧告」を補償にオプションで追加できるようにする。東北地方の自治体から「地震、津波が対象に入っていないなら話にならない」と指摘されたからだ。野口氏は「これで全ての自然災害に対応でき、安心を与えられる。自治体のニーズを踏まえ柔軟に制度変更していく」と地域に寄り添う。   全国5割加入目指す 加入自治体は1年で約240と2倍に増えた。18年度は西日本豪雨や相次ぐ台風上陸などで引き合いが増えており、19年度も倍増を見込む。ただ、それでも加入率は全国自治体の3割未満だ。横井氏は「まずは5割まで増やしたい。自治体は横の連携が強いので口コミや誘い合いを期待している」という。 おりしも、各自治体では19年度の予算編成に向けた話し合いが本格的に始まる。「『台風が来たこともなく、避難勧告は何年も出していないので不要』という自治体もあるが、共助の精神で『とにかく入って』」と野口氏。避難勧告を発令したら費用を出す保険の意義を知ってほしいと訴える。 横井氏も「災害を減らすのは無理。防ぐのも難しい。しかし災害が発生したとき、住民を守るには迅速かつ適切に発令する必要がある。保険はその一助になる」と加入を呼びかける。(松岡健夫)   ■全国町村会の「災害対策費用保険制度」の補償対象 (1)避難所の設置(ブルーシート、毛布、紙おむつ、乾電池など生活用消耗品) (2)炊き出しなどによる食品の給与(おにぎり、弁当、パンなど) (3)飲料水などの供給(ミネラルウオーター、ペットボトル入りお茶・ジュースなど) (4)被服、寝具、その他生活必需品の給与・貸与(被服、下着、寝具、身の回り品、炊事用具など) (5)医療・助産(薬剤・治療材料の支給、処置、手術、病院や診療所への収容、看護など) (6)学用品の給与(教科書、文房具、通学用品) (7)救助のための輸送費((1)~(6)の救助に要した費用) (8)応急救助費(時間外勤務手当、旅費、ガソリン代、消防団員の出勤手当など) *カッコ内は支払い対象の具体例

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