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send 流通再編「第三極」になれるか 地方スーパー同盟始動、大手に対抗

2019年2月4日 月曜日

資本・業務提携を発表し、撮影に応じる(右から)バローホールディングスの田代正美会長兼社長、アークスの横山清社長、リテールパートナーズの田中康男社長=2018年12月25日、東京都中央区

節約志向の高まりで国内消費が力強さを欠くなか、流通各社は生き残りを懸け、再編を加速させている。そのなかで昨年12月、独立系食品スーパーの3社が資本・業務提携を発表した。それも提携を「新日本スーパーマーケット同盟」と銘打ち、この同盟に各地のスーパーやさまざまな業態の小売業の参画を呼び掛ける異例の取り組みだ。イオン、セブン&アイ・ホールディングス(HD)の流通大手が提携や統合を仕掛けるなか、この同盟が流通「第三極」になれるかが注目される。

  日本横断へ“維新” 今回提携したのは、北海道・東北地域で展開するアークス、中部・東海地域を地盤とするバローホールディングス(HD)、中国・九州地域のリテールパートナーズの3社だ。いずれも上場し、売上高営業利益率でも業界平均を大きく上回る勝ち組。地域に限ればほぼ最大手のスーパーであり、“地方スーパーの雄”と評価される。 3社は1月17日までに第三者割当増資を実施し、それぞれ約60億円を投じて、株式を数%ずつ持ち合い、資本的結びつきを明確にした。アークスの2019年2月期連結売上高予想が5220億円、リテールが同2310億円、バローが19年3月期で5600億円。3社を単純合算すると売上高は、一気に1兆3000億円規模に拡大する。 今後、提携推進委員会によって、規模拡大のメリットを生かした仕入れの共有化や資材などの共同購入、物流や店舗開発での協業に取り組むほか、カード事業の共同開発や省人化などの次世代店舗に向けた技術対応などでも協業を進める。 この同盟のユニークな点は、3社の提携に終わらせない点だ。昨年12月の会見でアークスの横山清社長は「日本を横断する形での同盟だ」とアピール。バローの田代正美会長兼社長は幕末の薩長同盟を強く意識したとし、「3社の会合も、幕末の志士が会合を持った山口県の旅館で開いた」とのエピソードを披露するなど、流通業界での“維新”を強く意識し、同盟への参加を呼び掛けている。 また、バローが、ドラッグストアチェーンやペットショップ、ホームセンター、フィットネスクラブなど、多彩な小売・サービス業を展開する中で、こうした幅広い業種の参加も想定するほか、食品スーパー専業の各社には、これら異業種のノウハウを提供することも想定している。  

異種格闘技の時代

そもそも独立経営への思いが強いとされてきた3社が同盟を結んだのは、強い危機感があるからだ。ネット通販の勢力拡大の中で、リアルの店舗展開だけで勝負することに限界を感じている。スマートフォン決済や電子マネーなどによる消費者囲い込みが進むことへの強い警戒感もある上、ドラッグストアの台頭など、流通の競争はもはや業種を超えた厳しい異種格闘技になっている。 リテールの田中康男社長は「単独では難しいが、3社が情報共有することでの対応が重要だ」と語り、この戦いを同盟で乗り切る考えを示す。 それ以上に3社が意識するのが、流通大手の動向だ。 かつてはリテールと提携関係にあった中国・四国を地盤とするイズミが、18年4月にセブン&アイHDと提携。イオンも同年10月に、四国最大のスーパーチェーンであるフジと資本業務提携することを発表した。イオンは中国・四国強化策として傘下のマルナカ(高松市)と山陽マルナカ(岡山市)を、マックスバリュ西日本に経営統合する方針も公表したばかりで、中・四国での存在感は強まる。 ある関係者は「同盟の基本的な考え方は“対イオン”に尽きる」と内情を話す。さらに、「全国にある独立系スーパーで、イオン陣営にくみすることを嫌う経営者は多い。そういったスーパーをどこまで同盟が取り込めるかが鍵だ」と語る。 同盟の拡大が、大手のイオンやセブンに属さない新たな流通再編の第三極となれるか、激しい競争が始まっている。(平尾孝)

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