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send 派遣元、問われる人材育成力 法改正、非正規社員のレベルアップ促す

2014年3月19日 水曜日

ecd1403182210003-p1    労働者派遣法改正案が閣議決定され、来春にもスタートする新たな派遣制度は、無期限で企業が派遣社員に仕事を任せられる一方で、派遣社員のキャリアアップや雇用安定措置を派遣元に強く求めている。派遣元の力量が問われるだけに大手各社は派遣社員の教育に力を入れる。改正派遣法が非正規社員のキャリア形成や雇用安定を促せば、多様な働き方の選択肢が広がり、少子高齢社会の労働力確保につながると期待される。  

能力水準「見える化」

 メーカーに技術者を派遣する派遣大手スタッフサービスのエンジニア部門は4月から、約2300人の技術系派遣社員に対し新たな評価制度を適用する。製図や機械解析など細かな項目で評価を指数化し、経験年数と合わせ10段階にランク付けする。    同社が見据えるのは2015年春の改正派遣法だ。3年ごとに働く人さえ交替すれば企業はいつまでも派遣社員に仕事を任せられる。裏返せば、同じ派遣社員が一つの職場で働く期限は3年だ。派遣元は3年ごとに(1)派遣先へ直接雇用申し入れ(2)新たな派遣先の提供(3)自社で無期雇用(正社員)のいずれかの努力を迫られる。    企業の研究開発に携わる技術者が職場をころころ変わるのは望ましくない。派遣先の直接雇用には限度があり、技術者が今の職場で働き続けるには、3年交替の例外扱いになる「派遣元での正社員化」が主になりそうだ。しかし、増える負担を丸抱えできないため、派遣会社は派遣先に料金引き上げを求める。    そのためにも「派遣社員のレベルを視覚化し、成果を評価してもらう必要がある」と林直樹ゼネラルマネジャーはいう。派遣社員への要求レベルは高まるが、「大手への直接雇用のステップにもなる。育成も派遣元の役割」と林氏は言い切る。    「3年後のビジョンをもって派遣社員も働く時代になる」と指摘するのは派遣大手テンプスタッフの乾美由紀スタッフィング企画部長。法改正で派遣会社は3年ごとに雇用安定措置を図るが、実現には派遣社員のレベルアップが条件だ。同社はこれまでEラーニングや対面講座で資格取得や語学習得などの機会を派遣社員に用意してきた。今後は需要がさらに高まるとみてスマートフォン(高機能携帯電話)などで学べるモバイル版の展開も目指す。    派遣大手パソナも、派遣社員が就業後に通える経理や秘書などの資格講座のほか、キャリア相談や交流の場などを提供してきた。同社の八木孝子スタッフィング部長は、正社員に負けない水準の教育制度やキャリア支援を提供することで「派遣は単なる“非正規”というより、育児や介護など生活形態にあわせた働き方の選択肢になる。法改正はその後押し」という。  

働き方の選択肢拡大

 法改正で派遣市場が拡大し、派遣社員の待遇改善も期待されるが、労働者保護の立場からは懸念の声も上がる。連合の新谷信幸総合労働局総合局長は「無期限に派遣社員を受け入れることは正社員の立場を脅かしかねない。改正派遣法は(正社員と差をつけない)均等待遇も配慮義務にとどまる」と指摘する。    政府は派遣市場を「柔軟な働き方を望む人の就労先」と認める。今後はどこまで派遣社員の雇用安定や育成支援に踏み込めるのか。「多様な働き方の受け皿」への脱皮という改正派遣法の狙いの成否がかかっている。(滝川麻衣子)    

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