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格安スマホ急拡大、市場に150社超 乗り換え抵抗感薄れ、若いユーザーも増加
2016年4月25日 月曜日

2014年からMVNOの販売代理店として格安スマホを販売してきたイオンリテールによると、今年に入り20~30代のユーザーが増加。市場の広がりを実感し、自らMVNOへの参入を決めたという。従来は初めてスマホを買うのに料金を抑えたい40~50代の中高年層が多かったが、現在は若いスマホの買い替え層にも需要が拡大している。
調査会社のMM総研の調べによると、格安スマホを提供する独自サービス型のMVNOの回線契約数は15年9月末時点で前年同月比76.1%増の約406万回線。今年3月末には510万回線、来年3月末には770万回線に達すると見込まれる。格安スマホの専用カウンターを増設しているヨドバシカメラは、「携帯大手3社の合計の販売台数を10とすると、(MVNOなどと契約する)SIMフリーは2、3ぐらいの割合だが、1年後には4、5までいくだろう」(通信サービス商品事業部の松月俊雄事業部長)とみる。
定額通話でシェア
人気を受けて新規参入が相次ぎ、現在は150社超が市場にひしめく。MM総研によると、昨年9月時点のシェアトップは「OCNモバイルONE」のNTTコミュニケーションズ(23.2%)、2位が「IIJmio」などのインターネットイニシアティブ(IIJ)(17.7%)。3位が「U-mobile」のU-NEXT(7.3%)」。いずれも参入時期が早いほか、「U-mobile」はデータ通信定額制やプリペイドなどのサービスで利用者を増やした。 急速にシェアを伸ばしているとみられるのが、14年に参入したネット通販最大手、楽天の「楽天モバイル」とソフトバンクがセカンドブランドとして提供する「ワイモバイル」だ。いずれも1回の通話時間に制限はあるが、定額制の通話サービスを打ち出しているのが特徴。ワイモバイルは、かつてのイー・モバイルやウィルコムの店舗を活用して一気に店舗数を増やしているほか、楽天も専門店や家電量販店などに専用カウンターを増やすなどしてユーザーを取り込んでいる。既存のネット通販などに使えるポイントサービスも消費者には魅力だ。そこにイオンリテールの「イオンモバイル」が、最安料金とイオン200店舗以上での販売や強力なサポート体制を売りに参入。MVNOで「シェアナンバーワンを目指す」(デジタル事業部の橋本昌一事業部長)。受け付けシステムのトラブルが続いているが、想定以上の申し込みがあるという。
さらに、日本では対話アプリの代名詞的存在となったLINEも参戦するとあって、「参入は脅威」(MVNO事業者)と競合他社は戦々恐々。LINEの具体的なサービス内容は不明だが、LINEをはじめ、フェイスブックなどのコミュニケーションアプリに使用するデータ通信料を無料にする方針だ。 ■携帯大手の料金政策が立ち位置左右 新規参入による料金競争が進み、現在は各事業者にほとんど差がない。動画が数時間見られるような月間3ギガバイトの高速データ通信と、音声通話ができる平均的なサービスで月額基本料は1600円前後(税抜き)。音声通話は各社とも30秒20円だ。端末は中国や台湾メーカーのものを中心に2万~3万円のものが充実。日本メーカー製では富士通やソニー、シャープも限定的に提供しており、人気が高い。自ら中古などで好きなSIMフリー端末を調達し、仮想移動体通信事業者(MVNO)の回線を使うSIMカードだけを購入するユーザーも増えつつある。そこで今後のシェア争いは販売店やサポート態勢が左右しそうだ。「店に来た人の6~7割が契約して帰る」(U-NEXT広報)との声もあり、実際に端末に接する機会が増えればそれだけ契約を獲得できる期待がある。ただ、販売店の増設やサポート態勢の充実にはコストがかかるだけに、事業者の再編・淘汰(とうた)も予想される。
一方、MVNOが中長期的に勢いを維持しながら事業を拡大できるかは未知数だ。 MVNOは大手の回線を制限付きで安く販売する代理業者のような存在。各社がドコモなど大手の回線を借りる仕入れコストはほぼ同じで、大手の料金政策にMVNOのサービスは左右される。NTTドコモは積極的にMVNOに回線を貸し出す戦略を取っているが、あくまでソフトバンクやKDDIから利用者を奪う戦略の一環だ。 政府の引き下げ要求により、携帯大手3社の料金水準が徐々に下がってくれば、MVNOの立ち位置も変わりそうだ。