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send 柏崎刈羽再稼働へ“地ならし” 東電、新潟で家庭用販売検討

2016年3月4日 金曜日

  bsd1603040500002-p1   家庭が自由に電気の契約先を選べる4月の電力小売りの全面自由化に向け、東京電力は、柏崎刈羽原子力発電所がある新潟県で家庭用電力販売を行う検討を始めた。県内が東北電力管内のため、同原発がありながらも県民との縁は薄い。越境販売が可能になる自由化を機に県内に参入し、つながりを深める狙いだ。存在感が一気に高まる家庭用電力販売は、新潟本社の設立、県内限定CMに続く、原発再稼働に向けた大型の“地ならし”第3弾ともいえそうだ。   地産地消構想に合致   「新潟県の皆さんが東電から電気を買いたいと思っていただくことが大事。そうであれば当然(電力販売を)考えないといけない」   2月初旬、フジサンケイビジネスアイの取材に応じた東電の広瀬直己社長は、県民との関係強化を図る上で最適な新潟での家庭用電力販売についての質問に、前向きにこう答えた。新潟での家庭用電力販売は年明け、広瀬社長が年初のあいさつで新潟を訪問したときに改めて話題に上り、県内での関心は高い。   実際、柏崎刈羽原発が立地する柏崎市、刈羽村を中心に県内ではかねて「東電の電気を買いたい」という声は少なくなかった。象徴的だったのは同原発全基が停止した2012年の11月に実施された前回の柏崎市長選だ。同年3月の全基停止による市内経済の低迷で原発が再認識され、現職との一騎打ちに挑んだ新人候補者は市の振興策として「原発特区」構想を掲げた。  

同構想は、同原発でつくった電気を地元が割安に利用できる電力の「地産地消」を目指すというもの。安価な電気で産業誘致も図れる。まさに東電から電気を買う仕組みをつくるものだった。

  同原発に1日に出入りする人数は、東電社員と協力企業の関係者を合わせて6898人(2月1日集計)に上る。このうち、柏崎刈羽地域に住む人の割合は約半分。その家族も含めれば人数は膨らむ。   東電の電気を希望する声は、利害関係者も多い立地特有の事情が関係しているとみられるが、広瀬社長は「地元の商工会議所からもいわれている。東電の電気を買いたいという声があるのは事実だ」と、地元経済界の要望があることも明かした。   地元の心証変える策   世界最大の発電量を誇る柏崎刈羽原発は、全7基のうち、1985年に最初に稼働した1号機は東北電との共同開発。1号機の発電電力の半分は東北電に送られ、長年東北電管内の各家庭で利用されてきた。だが、定期検査のため2011年8月に稼働停止し、それ以来、1号機からの供給は断たれている。  

原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査は、発電した電気を全て関東に送る比較的新しい6、7号機で進む。県民向けの電気もつくる1号機の申請について、広瀬社長は「考える」と述べるにとどめた。今の同原発は、多くの県民にとって必要性を見いだすのが難しい存在だ。

  さらに足元では、同原発で不適切に敷設されたケーブルの問題が波紋を広げている。新基準は、火災による延焼を防ぐため、原子炉停止などの信号を送る安全系のケーブルと、その他のケーブルを分けて敷設するよう求めている。   同原発では昨年9月以降、中央制御室の床下などでケーブルの混在が相次いで発覚。一部の不備は改善したが、全てのケーブルで対応を終える見通しは立っていない。   適合性審査は終盤にさしかかり、年内に審査結果が出る可能性が高い。再稼働が現実味を帯びようというときに、ケーブル問題で県民の心証は悪くなっている。東電は原発再稼働に向けた準備の一環として、新潟で信頼を取り戻す努力を続けてきた。昨年4月に原発立地に寄り添う姿勢を鮮明にするため新潟本社を設立。同6~9月にかけて柏崎市、刈羽村の4万1000戸を社員115人で訪問した。  

ちょうど同じ頃、企業CMを県内限定で放映開始。福島第1原発事故の教訓を踏まえた安全対策に全力で取り組む様子を流している。

  これらに続き家庭用電力販売が実現すれば、お荷物扱いの同原発に対する地元の見方が変わるのは間違いない。印象が薄い「県民の電源」という位置付けが明確になれば、原発再稼働に必要な地元の同意手続きに影響を及ぼしそうだ。(佐藤克史)

フジサンケイビジネスアイ

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