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東芝・シャープの「白物」、革新性に疑問 政府主導の電機再編、先読めず
2016年1月22日 金曜日



液晶について、革新機構は2012年に大手3社の中小型液晶事業を統合したジャパンディスプレイの設立に関わり、現在も約35%の株式を保有する。シャープ本体への出資を通して、両社の液晶事業を統合させる案を検討している。
白物家電に関しては、会計不祥事で業績が悪化した東芝が、同事業を実質的に売却する方針を打ち出した。これを受け、革新機構は出資を通して東芝とシャープの同事業を統合させる案を提案しているもようだ。 ルネサスも10年に3社の事業を統合した日の丸半導体だ。15年3月期決算で発足後初の最終黒字を達成した。昨年9月に株式売却の制限が解除されたことで、革新機構は保有するルネサス株を売却する方針だ。 ただ、国内再編へのこだわりにはきしみも出ている。同12月、ルネサスの会長兼CEOを務めていた遠藤隆雄氏が就任わずか半年で辞任。独企業との連携を模索する遠藤氏と、国内企業への売却を主張する革新機構との溝が埋まらなかったとの見方が強い。再編の中核となるシャープへの出資に関しても、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業との争奪戦が過熱。政府の意向もあり、シャープと主力取引行は革新機構の案を選ぶ可能性が高いが、鴻海は革新機構の2倍程度に相当する6000億円超の買収額など好条件を提示しているとみられ、先行きは予断を許さない。 また革新機構は、行き詰まった企業の救済ではなく、成長性や革新性を持つ企業に投資するのが基本方針だが、東芝は白物家電について「他社との差別化が難しく、成長が見込めない」(幹部)として実質売却を決めた。革新機構幹部は「単独では厳しい事業でも、他社との相乗効果で革新性を見いだせる場合がある」と話すが、公的な性格の資金による不振事業への出資には丁寧な説明が求められそうだ。(高橋寛次)