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send 東京五輪へ「湾岸ロープウエー」構想 競技場集中の江東区、都心とつなぐ

2014年7月16日 水曜日

cpd1407160500003-p1    【東京2020 国際都市への挑戦】  2020年の東京五輪で全37競技場のうち17施設が設置される江東区。湾岸の有明、辰巳、夢の島には水泳や自転車、体操などの競技場が集中し、都心とつなぐロープウエーを敷設する構想も浮上する。施設は五輪後にもレガシー(遺産)として活用するが、東京都が会場計画の見直しを進めており、具体像は見通せない。今月24日で開催までちょうど6年。施設をどうまちづくりに生かしていくのか。計画策定に残された時間はあとわずかだ。    乏しい集客機能  ゆりかもめ豊洲駅前に12年に江東区が設置したコミュニティーサイクルのステーションがある。事前にインターネット登録した交通系ICカードを使って自転車を借り、超高層マンション群が林立する東雲方面へ向かう。運河を越える橋を渡って左折し、再び橋を渡ると10分ほどで2つの五輪競技場が建設される予定の辰巳地区に着く。    運河に囲まれた辰巳地区はちょうど真ん中を南北に首都高9号線が走り、その西側に都営住宅団地では最大規模、総戸数約3300戸の「辰巳一丁目アパート」、東側には五輪会場予定地である約17ヘクタールの「辰巳の森海浜公園」が広がる。最寄りの地下鉄有楽町線辰巳駅周辺に商業施設はほとんど見当たらない。    辰巳の森海浜公園は、少年向けサッカー場として利用されている少年広場を除けば、日曜日でも人影はまばらで、のんびり過ごすには打って付け。ここを閉鎖して水泳関連の2つの競技場を建設する計画だ。    すぐ近くに1993年にオープンしたスイマーの聖地「東京辰巳国際水泳場」もあり、計画が見直される可能性も指摘されているが、新たなオリンピックプールが誕生すれば、辰巳地区が日本水泳の最重要拠点となるのは間違いない。問題はにぎわいを生むための集客機能が乏しいところだ。    鍵を握るのは辰巳一丁目アパートの建て替え計画だ。今年夏から4期14年間に及ぶ工事がスタート。現在は約13ヘクタールの敷地に昔ながらの5階建てアパート60棟が立ち並んでいるが、大半を14階建てに高層化することで、約10ヘクタールの敷地でほぼ同じ総戸数を確保する。余る辰巳駅前の敷地約3ヘクタールは民間へ売却される可能性もあり、大規模な商業施設などが整備されれば活気が出てきそうだ。    4つの競技場が計画されている夢の島地区は、広さ43ヘクタールの夢の島公園と新江東清掃工場がある。園内には温水プールなどがある東京都スポーツ文化館「BumB」と野球場が12面ある「夢の島運動場」がある。休日は家族連れや少年野球の試合でにぎわうが、それ以外の入園者は少ない。    4施設のうち馬術競技場は、陸上競技やサッカーなどで使用している既存の夢の島競技場を改修。残り3つは常設施設として公園中央部にアーチェリー競技場、清掃工場とBumBの間の敷地にバドミントンとバスケットボールの2つのアリーナを新設する計画だ。ただ、ここでも見直しでアリーナ建設の規模縮小・見送りの検討が進んでおり、五輪後に夢の島が神宮外苑と並ぶスポーツのメッカとなるのは微妙かもしれない。    ロンドンを意識  「オリンピック・レガシーを生かしたまちづくりを実現する課題と解決策を江東区から積極的に提案していきたい」(江東区都市整備部まちづくり推進課・天野清和課長)    地元の江東区では先月、「まちづくり基本計画アウトライン」を策定し、五輪施設の設計に反映してほしい8つの提案を東京都に示した。その中で、特に注目度が高いのは、都市型ロープウエー導入の提案だ。    オリンピック・レガシーの成功例として名高い12年のロンドン五輪では、メーンスタジアムに近接した大型商業施設や駅の整備による東ロンドン地区の再生、公共レンタサイクルシステム「Cycle Hire」と都市型ロープウエー「エミレーツ・エア・ライン」の導入が評価されている。江東区の提案もロンドンを意識したもの。同区では、7つの五輪競技場が設置される有明地区を国際居住・観光ゾーンと位置付け、ロープウエーを有力な観光資源としたい考えだ。    ただ、エミレーツが距離1キロなのに対して、汐留と有明地区を結ぶ江東区提案は距離が4キロを超える。しかもエミレーツは高さが100メートルもある。また、有明の7競技場のうち常設として新設されるのはバレーボール会場の有明アリーナだけ。有明テニスの森、東京ビッグサイトは既存施設の活用。後の3つは仮設でいずれ取り壊される。    ■“遺産”有効活用へ市民の声集約  住友不動産が、有明テニスの森の隣に、大型商業施設やマンションなどの複合施設「ARIAKE Garden City」の開発で用地を取得済み。だが、この約11ヘクタールの広大な土地も「具体的な計画が固まっていない」(広報担当)と手付かずのままとなっている。ロンドンのように、都市型ロープウエー建設に民間企業が名乗りを上げるようなオリンピック・レガシーを生かした魅力的なまちづくりを進めることができるのか、まだ未知数だ。    江東区は、五輪開催まであと6年となる24日に、市民から東京五輪とパラリンピックに関する意見・アイデアを聞く初めてのイベントを開催する。東京都が年内の長期ビジョン策定に向けて9月に予定している中間とりまとめの前に、意見やアイデアを多く発信して計画に盛り込んでもらうのが狙いだ。    コスト削減の観点から見直しが進む五輪施設計画だが、後のまちづくりにもマイナスの影響を及ぼしてしては意味がなく、難しい調整を迫られそうだ。

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