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未公開株投資の新時代幕開け ネットで「ファン」募集、中小・ベンチャー後押し
2017年9月13日 水曜日

エデューレの山口紀生社長は「英語で学ぶ授業や教育理念に賛同する保護者は多く、株主になってもらえる」と期待を寄せる。株主募集の案内では「すぐに配当を出せないが、ファンとして支援を」と呼び掛けた。調達資金はオリジナル教科書の開発に充てるという。
マルチブックはソフト開発や海外拠点開設などに使う。顧客を増やすための知名度向上も狙いの一つだ。目標金額を集めるため村山忠昭社長は「人脈を駆使する」としてリストアップに励んだ。 エントリー20社超 企業のファンやサポーターを株主として集める「拡大縁故募集」をDANは基軸に据える。長期保有を前提に事業発展に力を貸す株主を増やすことが企業成長につながると考えるからで、出縄良人社長は「外の投資家より身近な株主。ご縁をつくって株主になってもらう」と話す。 出縄氏は、非上場企業の株式を売買するグリーンシート制度の生みの親で、同制度を使って141社の非上場企業の株式募集を取り扱い、このうち18社を上場させた。こうした目利き力に注目した中小・ベンチャーから申し込みが相次ぎ、エントリー企業は20社を超えた。 ■経営ビジョンへの共感が鍵 「株式投資型は経営ビジョンに共感して投資してくれる株主を集められる。事業発展に協力してくれるサポーターだ」。JCCのプラットフォーム「FUNDINNO(ファンディーノ)」を使って、目標額(2520万円)を大幅に上回る3430万円を調達したAuBの冨士川凛太郎取締役はこう喜んだ。同社はアスリートの腸内細菌を研究し、それに基づいた商品やサービスを開発する。調達資金で研究を深掘りするが、バイアウト(売却)やIPO(新規株式公開)など早期の投資成果を求めるベンチャーキャピタルと違って、ファン株主は「あせらずに待ってくれる。ベンチャーにとってありがたい」(冨士川氏)存在だ。
これまでにファンディーノで増資した企業4社は総額約1億1000万円を調達した。JCCの大浦学社長は「株式投資型による資金調達はマーケティング機能を持つ。投資家は気に入った企業に投資するからで、商品・サービスの購入者になり得る」と指摘する。投資家が求めるのは企業のユニーク性などで、ファンディーノに登録する投資家は4000人に達し、年末には6000人を超える見込みという。 注目を集める株式投資型だが、大浦氏は「過熱しており、どんな案件でも成立するので危惧している。登録企業の投資情報をよく読んで判断してほしい」と投資家に注意も呼び掛けた。(松岡健夫) ■JCCのファンディーノで資金調達した企業と金額 (企業/調達金額/目標金額) Bank Invoice/1460/500 JAM/3070/2000 オールユアーズ/3237/2850 AuB/3430/2520 単位:万円【用語解説】未公開株式の取引
日本では1997年から日本証券業協会の「グリーンシート制度」で認められてきたが、2018年3月末で終了。これに代わる非上場企業の新たな資金調達手段が株式投資型クラウドファンディングで、15年の金融商品取引法の改正により制度化された。運営業者は「第一種少額電子募集取扱業」の登録が必要で、株式を発行する企業の財務状況や事業計画の妥当性などの審査が義務付けられており、適当と認められた企業のみ取り扱う。投資家は1人当たり1社につき50万円を上限に投資できる。非上場企業の資金調達額は年間1億円未満。目標募集額に達しない場合、増資は中止となる。