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send 日銀、緩和副作用への対応検討 長期金利柔軟調節など複数案

2018年7月30日 月曜日

6月の金融政策決定会合後に記者会見する日銀の黒田東彦総裁=東京都中央区(ブルームバーグ)

日銀は30、31日に開く金融政策決定会合で、大規模な金融緩和で蓄積している副作用の軽減策について、検討を本格化する。超低金利が長期間続くことで金融機関の経営体力は低下しており、市場機能の低下も深刻化した。「ゼロ%程度」に誘導してきた長期金利の上昇を一定程度容認するなど複数案が挙がっている。

緩慢な物価上昇 決定会合では物価が伸び悩む理由を集中点検し、2020年度までの物価見通しを下方修正する。物価上昇率を2%まで引き上げる目標の実現に向け、大規模緩和を今後も継続する方針を確認。その上で副作用の軽減策を議論する見込みだ。 16年に導入した短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に抑える現行策の影響で、金融機関は利ざや(貸し出し金利と預金金利の差)が縮小し、本業の貸し出し業務でもうけられなくなった。最近は日銀が金利を引き下げるため国債を大量に買い入れるため、国債市場の取引が成立しない状況が続く。 副作用の軽減策で有力視されるのは、長期金利の柔軟な調節だ。日銀は市場で国債が売られ長期金利が上ぶれ(国債価格は低下)すると、固定の利回りを指定して国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」で金利水準を引き下げる。 日銀は27日の指し値オペで、買い入れる10年債の利回りをこれまでのオペより0.01%低い0.100%に指定した。指定利回りは日銀が設ける金利上昇の“防衛線”だ。これを引き下げることは上昇観測に対する強烈な牽制(けんせい)を意味する。

ただ、第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは今回の日銀の行動について、「取引を活性化するために金利を柔軟に上下するための布石」とみる。日銀の真意は分からないが、市場との神経戦が激しさを増している。

日銀が副作用対策の検討を始めるのは、物価上昇が想定以上に緩やかで、金融緩和による景気刺激を継続せざるを得ないからだ。既に4月の決定会合で、それまで「19年度ごろ」としていた2%目標の達成時期を削除。金融業界からは持久戦を見据えた対応を求める声が日増しに高まっており、対応を迫られた。   「出口戦略」切り分け とはいえ、金利が上がれば海外通貨を円に交換して利子を稼ぐ動きが強まるため円高が進み、輸出関連企業の利益が圧縮され株価が下がるなど経済に大きな影響が出る。日銀は今回の対策を金融緩和全体を手じまいする「出口戦略」とは切り分けて市場の混乱を防ぎたい構えだが、修正観測ですら混乱を招く状況で軟着陸させるのは極めて難しい。 このため、今後問われるのは具体策を打ち出すタイミングだ。今年は9月に自民党総裁選を控え、「総裁選前に円高・株安にはできない」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)との見方は強い。 ただ、来年も4月の統一地方選を皮切りに、参院選や消費税増税と重要な政治日程が続く。米国発の貿易摩擦で世界経済が後退局面に入る懸念もあり、日銀が動けるのは10月以降の極めて限られた期間だけだ。今後の政治日程なども勘案すると、日銀は難しいかじ取りを迫られそうだ。(万福博之、田辺裕晶)

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