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send 日立、英原発で本格交渉合意 事業費総額3兆円規模 英政府と枠組み折り合う

2018年6月6日 水曜日

日立製作所は5日、英国での原発新設計画をめぐり事業実現に向けて英国政府と本格交渉に入ることで基本合意したと発表した。総額3兆円規模に上る事業費の分担の枠組みで双方が折り合った。今後は電力の買い取り価格や事故時の損害賠償責任の明確化など重要項目の詳細を協議する。ただ損失リスクが大きいと日立が判断すれば撤退する可能性もあり、交渉の行方はなおも予断を許さない。

英国ではクラーク・エネルギー・産業戦略相が4日(日本時間5日)に、事業推進で日立と合意したとの声明を発表した。この声明を受け日立は5日、「これまでの両者間の協議の成果などを確認するものとして歓迎する」とのコメントを発表。その上で「経済合理性の観点から最終的な判断を行う」とし、決断を下す2019年まで、英政府とリスク軽減策の話し合いを継続する考えを強調した。 日立は、東京電力福島第1原発事故後の12年に英ホライズン・ニュークリア・パワーを約890億円で買収して子会社化。英中西部アングルシー島で原発2基の建設に向け、約2000億円を投じて工事の準備を進めてきた。新設する原発は20年代前半の運転開始を目指すが、総事業費は安全対策の強化などで3兆円規模まで膨らんでいる。

日立と英政府の協議では3兆円のうち、2兆円程度を英国側が融資することで一致。直接融資と現地金融機関による貸し出しで負担し、英政府の債務保証もつける。残る約1兆円は出資で賄う。日立、英政府と現地企業、日本の政府系金融機関などの3陣営が約3000億円ずつを等分して出資する方向で検討している。

計画の実現に向け、大きなハードルとなるのが「事故時に誰が責任を取るか」(日立首脳)という点。日立は原発事故時の損害賠償責任の減免を求めており、英政府とどう折り合えるかが焦点となる。原発稼働後の電力の買い取り価格も課題。価格の設定次第では初期投資の回収が大幅に遅れる恐れがあり、日立が求める、利益が確保できる水準での買い取りを英政府が認めるかも大きなテーマだ。(今井裕治)  

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