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send 日産、再建策もコロナが足かせ “反転の切り札”新型車投入も需要不透明

2020年5月29日 金曜日

米ニューヨークの日産自動車の販売店。世界全エリアで販売は落ち込んでいる(ブルームバーグ)

日産自動車が巨額の赤字に転落した。成長軌道に戻すため、内田誠社長は28日、余剰設備と生産性の低い領域を減らして約3000億円の固定費を削減することを表明し、反転の“切り札”となる新型車は新型コロナウイルスの大波に関係なく「18カ月で12車種を投入」と目標を掲げた。ただ、世界経済冷え込みで受ける影響は不透明だ。仏ルノー、三菱自動車との企業連合による分業も生かして固定費削減を進めながら、市場回復期にいかに魅力ある車を投入できるか。日産再生のカギはその1点にかかっている。 「コロナなどで環境が変わっても、『人のための技術』を中心に挑戦する」。内田氏はオンライン記者会見で日産の将来像をこう語り、電気自動車(EV)「リーフ」などで続けてきた電動化と自動運転技術といった次世代技術をいち早く提供する方針は、コロナ後も通用するとの自信を表明。米中の主力市場の回復にも積極的に新型車を投入していく考えを示した。 内田氏は昨年12月の就任時、業績回復へ「挑戦可能な目標とする」と適切な規模への縮小方針を表明。今回まとめた中期経営計画は、規模を優先してきた反省に立ち、投資が遅れがちだった新型車開発を「計画通りに行い、適切なタイミングで魅力的な車を投入する」ことで回復軌道に乗せることが主眼だ。 だが策定の過程で誤算もあった。内田氏と同時に副最高執行責任者(COO)に就き、経営再建や商品企画の担当だった関潤氏が突然退社。さらに世界販売の下落は、新型コロナの影響もあって全エリアで「想定以上」(内田氏)に進行した。19年度の販売台数は493万台となり、固定費削減の上乗せが必須となった。 新型車投入が計画通り進められたとしても、需要なしには収益回復につながらない。3月下旬から休止していた米国工場は6月1日からの順次再開を決めたが、米国の4月の失業率は14.7%に達し、4~6月期の国内総生産(GDP)下落幅も「戦後最悪」との予測で、需要回復までの道のりはまだ遠い。 悪環境が続く中、収益改善の後ろ盾となるのが企業連合だ。27日発表の連合の分業計画は、3社間の「生産の集約」を明記した。日産にとっては、欧州や東南アジアなど弱い地域での事業について思い切った削減を決断できる一方、日米中3市場や自動運転技術などでは「リーダー」として、受託生産での工場稼働率改善や技術使用料などが見込める。連合が「各社の固定費削減、売上高増に貢献する」(内田氏)のは間違いない。 問題は、その効果をいかに迅速に出すか。3社の車両モデルの半数を分業体制に置き換えるのは、5年後の25年を目標としているだけに、早期の収益貢献は期待しにくい。まずは単独で固定費削減を進めるほかない。 “コロナ後”は車へのニーズが変質する可能性もある。単なる固定費削減という内向きな方向を超え、「日産らしさ」ある車づくりを維持できるかが問われそうだ。(今村義丈)

フジサンケイビジネスアイ

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