就活お役立ちビジネスニュース

send 日本郵政・西室社長「上場は来年夏」 構造改革総仕上げ、問われる成長軌道

2014年10月31日 金曜日

【郵便局の挑戦】(1)   bsd1410310500004-p1   来年の株式上場に向けて、日本郵政の構造改革が最終段階を迎えている。上場は、全国2万4000カ所の郵便局ネットワークを抱え、郵便・金融事業の基盤増強、新規事業の成長戦略、ユニバーサル(全国均一)サービスを同時に目指す壮大な実験といえる。就任以来、長年の国営体質から巨大民間企業への脱皮を目指して矢継ぎ早に構造改革に取り組んできた西室泰三社長は「上場は来年夏になりそうだ」と発言。大型上場がいよいよ秒読みに入った。   景気冷え込み回避 西室社長は、フジサンケイビジネスアイの取材で、上場時期について「準備は来春までに整えて、上場は夏頃になりそうだ」と述べた。これまで来年秋とみられていた上場時期を、夏と明言した背景には「(来年10月に予定されている)消費税増税で想定される景気の冷え込み時期を避けたい」(日本郵政幹部)考えもありそうだ。   実際には、株式売却益を当て込む政府や、上場基準を審査する東京証券取引所の判断でずれ込む可能性はあるものの、「上場準備が次のステージに移った」(西室社長)ことを象徴している。日本郵政は上場に向けた企業インフラ整備のため、情報システムの統合や物流ネットワークの再構築を急ぐ。   しかし、グループの最大の課題は、新規事業拡大による金融関連事業の収益拡大と、取扱量の長期漸減傾向が続く郵便事業のてこ入れだ。郵便事業の屋台骨である2015年用年賀はがきの販売が30日、全国一斉に始まった。グループの日本郵便は、ほぼ前年並みとなる約34億2000万枚の発行を見込むが、30億枚の維持さえ困難な情勢だ。   ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険の新規事業の認可が上場まで事実上ストップする中、日本郵政は届け出で新規事業が行える日本郵便の郵便局ネットワークを活用し、米保険大手アメリカンファミリー生命保険(アフラック)のがん保険を昨年10月に発売。今年3月には全国約3000局に拡大した。将来は全直営局に広げる計画。10月からは、かんぽ生命の顧客が追加加入しやすいよう保険料を約半分に抑えた新保険も売り出した。 4月には、かつての稼ぎ頭のてこ入れにも着手。子供の死亡保障より教育資金の積立機能を重視し、元本割れのリスクを抑えた新しい商品に衣替えした。   学資保険は一般の関心が高く、それだけに生保各社との競争が激しい。00年度に71%だったかんぽ生命のシェアは、13年度には31%まで低下した。しかし、新学資保険を投入した今年4~8月の販売実績は前年同期の4倍近い約31万3000件で、シェアも7割台に回復した。   2月に発表した中期経営計画では、こうした新商品や新事業開拓を成長戦略の柱の一つに位置付ける。上場後の17年度からは、顧客の生活や人生を支援する「トータル生活サポート企業」を目指す。ただ、経常利益の9割を金融2社に依存し、不振が続く郵便事業を支えるという構造は変わらない。   “種まき”から育成へ 日本郵政は証券代行業務の委託先に三井住友信託銀行を選定し、主幹事証券11社も決まったが、投資家向けには「より明確な成長戦略が不可欠」(複数の市場関係者)なのも事実。国際物流事業や新市場参入などの“種まき”を、いかに成長軌道に乗せられるかが問われている。

フジサンケイビジネスアイ

就職コンサルナビ

イノベーションズアイ