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send 日本郵政グループ3社“失態続き”の5年間 株価低迷、成長戦略も見えず

2020年11月6日 金曜日

日本郵政グループが入るビルにある看板 =東京都千代田区(共同)

日本郵政グループ3社は株式上場から丸5年が経過した。持ち株会社の日本郵政、傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の5日終値は、上場時に比べ半値程度。大型買収の失敗や保険不正販売といった失態続きで株価低迷が続く。人口減少や超低金利の常態化など厳しい経営環境の中、成長戦略も見えない。

「市場の監視にさらされて緊張感を持った経営のきっかけになるはずが、そうなっていない。株主に申し訳ない」。10月30日に記者会見した日本郵政の増田寛也社長は、上場5周年を祝う雰囲気とは程遠かった。

株売り出し時は、時価総額で1987年のNTTに次ぐ大型上場と話題になり、個人株主の人気を集めた。だが、この5年で日経平均株価が2割超も値上がりしたのとは対照的に、3社の株価は悲惨な状況だ。

株価低迷は東日本大震災からの復興財源の確保にも影を落とす。政府は日本郵政株の売却益4兆円を充てる計画だが、実現には単純計算で1130円程度が必要となる。5日の終値は731円で、隔たりは大きい。

郵政グループの経営は迷走している。2015年に約6200億円で買収したオーストラリアの物流子会社トール・ホールディングスは、業績不振により約4000億円の損失を計上。今も経営難が続く。グループ幹部は「買収メリットは何もなかった」とため息をつく。

19年には日本郵便とかんぽ生命の不正販売が表面化。高齢者などの知識不足につけ込み、売り上げ獲得に走ったことで全国の郵便局は信頼を失い、グループの企業統治の欠如をあらわにした。

先行きも厳しい。融資業務が法律で制限されるゆうちょ銀は、巨額の貯金を市場で運用しているが、新型コロナウイルス流行で世界的な超低金利に拍車が掛かり、運用は難しさを増す。かんぽ生命は少子高齢化を背景に契約者が減少傾向だったところに、不正販売で新規契約が激減している。

稼ぎ頭の金融2社の収益力が細れば、全国一律のサービス提供を義務付けられた郵便局網の維持も難しくなる。日本郵政は21年度から次期中期経営計画をスタートさせるが、今のところデジタル化の推進と不動産事業の強化しか目玉が見当たらない。

「地域の期待に応えようとする社員が数多くいることは大きな救いであり、宝だ」と増田氏は力を込める。だが、07年10月の郵政民営化法成立から13年が過ぎた今も、民営化の果実は見えないままだ。

フジサンケイビジネスアイ

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