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send 日本車 トランプ氏で戦略再考 北米市場で大手の大型車シフト相次ぐ

2016年11月11日 金曜日

  bsa1611110500001-p1   自動車各社が主力の北米市場で、大型車に軸足を移している。原油安を背景にスポーツ用多目的車(SUV)やピックアップトラックなど「ライトトラック」と呼ばれる車種の人気が拡大しているためだ。石油輸出国機構(OPEC)の生産調整の難航で原油価格の低迷は続くとの見方もあり、セダンを得意とする日系メーカーは生産移管などで対応を急ぐ。さらに、米大統領選で、保護主義的な政策を掲げるトランプ氏が勝利したことを受け、改めて生産体制の見直しを迫られる可能性もありそうだ。   供給追い付かず     ホンダは来年2月にも、メキシコでつくるSUV「CR-V」の生産を米インディアナ工場に移管する。現在は乗用車「シビック」のみをつくる同工場の年25万台の生産能力を一部振り向ける。米オハイオ州のイーストリバティ工場も、高級車ブランド「アキュラ」のSUV「MDX」の生産を始め、大型車へのシフトを鮮明にする。   ライトトラックは米国市場全体のうち6割を占めるが、シビックが好調なホンダは現地販売の5割弱にとどまる。神子柴寿昭・北米地域本部長は「原油安が続けばライトトラック市場はもう少し伸びる。全体の能力は増やさないが、生産を振り分けて需要に対応したい」と話す。  

トヨタ自動車は、ピックアップトラック「タコマ」を生産するメキシコ工場に1億5000万ドル(約160億円)を投資し、17年末にも生産能力を6割引き上げる。米国でタコマをつくるテキサス工場は今春から土曜勤務を導入し、稼働を増やしているが、伊地知隆彦副社長は「供給努力を積み重ねているが、まだ市場に追い付いていない」と説明する。

  日産自動車も米スマーナ工場で生産するSUV「ローグ(日本名エクストレイル)」を10月に一部改良し、シェア拡大を図っていく構えだ。   米国市場ではライトトラックの割合がセダンを上回り、セダン市場の縮小で「競争が熾烈(しれつ)になっている」(トヨタ)。日系各社は価格競争が激しいセダンから、利幅の厚い大型車の比率を増やし、収益拡大の確保を急ぐ。ただ、トランプ氏が大統領に就任することで北米戦略は新たな政策対応を迫られそうだ。   米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、トランプ氏の通商政策は自動車産業にとって逆風になるとの分析を発表した。   車産業に逆風!?   トランプ氏が中国やカナダ、メキシコとの貿易関係を見直したり、輸入品に高関税を課したりすると訴えていたことに着目。製品や労働力の自由な行き来が妨げられるリスクを指摘しており、日系各社はメキシコ、カナダの各生産拠点と米国工場の役割分担の再考を迫られかねない。  

トランプ氏が掲げる減税と公共投資拡大が米国内生産(GDP)の成長率を押し上げるとの見方もあるが、実際に米国経済の拡大につながれば、その場合も北米生産能力の見直しが浮上する。一方、日本の自動車大手が歓迎していた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効が困難になったことで、中長期の戦略も描きにくくなった。

 TPPが発効すれば、カナダは、日本から輸入する完成車への関税6.1%を一定の猶予期間を経て撤廃。日本から米国への輸出部品のうち8割の品目の関税が即時撤廃され、現地の組み立て生産(拠点)への輸出に追い風となる期待があった。TPPが頓挫し、米国が保護主義に大きく傾けば各社のグローバル生産のビジョンも影響を受ける。 日本メーカーが大きな収益源とする北米事業は、原油価格に加え、「トランプ対応」という不透明要素も抱えた形で、今後のかじ取りにはこれまで以上に悩まされることになりそうだ。(会田聡) ◇ ■北米での日系自動車大手の大型車強化策 ≪トヨタ自動車≫ ・米テキサス工場 土曜稼働などでピックアップトラック「タコマ」などの生産を拡大 ・メキシコ工場 タコマの生産能力を10万台から2017年末にも16万台に拡大 ≪ホンダ≫ ・米インディアナ工場 「シビック」の生産に加え、17年2~3月にメキシコからSUV「CR-V」を生産移管 ・メキシコ・グアダラハラ工場 CR-Vの生産をインディアナに移管し、小型SUV「HR-V」の生産を開始 ・米イーストリバティ工場 CR-Vなどに加え、アキュラのSUV「MDX」を生産開始 ≪日産自動車≫ ・米スマーナ工場 SUV「ローグ」を10月に一部改良 ≪富士重工業≫ ・米インディアナ工場 「レガシィ」など3車種に加え、2018年に新型SUVの生産を開始する予定

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