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send 日本の庭園文化、世界に発信 海外から受注、研修生迎え入れ

2014年6月18日 水曜日

bsc1406180500002-p3    日本庭園を海外展開する“植木屋”がいる。小杉造園(東京都世田谷区)の小杉左岐(さき)社長だ。すでに数カ国で庭造りを行ったほか、欧州や中東から引き合いが来る。世界中から研修生を受け入れ、技術を広める活動も展開。各国政府や大学の講演依頼も多い。ユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」に続けとばかり、「クールジャパン」の一つとして日本の庭園文化を世界に発信する。    欧州、中東へ出張  「5月から6月にかけてオーストリア、キプロス、ドイツに行ってきた。9月以降もいくつか海外出張がありそう」    小杉氏は淡々とこう語った。平均して海外に月1回は出かけるという植木屋の3代目に、数人の弟子を抱える親方が個人邸から庭造りを任されるという、かつてのような“植木職人”のイメージはない。    海外初進出はアゼルバイジャン。同国政府の要請を受け、2009年10月に造った白砂を敷き詰める「枯山水(かれさんすい)庭園」で、造園に必要な設計・施工技術をすべて投入した。視察に訪れたアリエフ大統領から「大変素晴らしい日本の文化を紹介してくれた」と感謝されたという。    引き続き個人邸から注文があり、自然の山や川を表現する「池泉(ちせん)庭園」と枯山水の庭を造った。小杉氏は今や同国で最も有名な日本人として知られる。これまでに手掛けた庭園は同国に3カ所、韓国に2カ所だが、バーレーンで年内に造園する方向で交渉中のほか、キプロスからも話が来ているという。    世界から注文が来るのは講演を通じて日本の庭園文化の発信に努めてきたからだ。訪問国はブルガリア、ウクライナ、キューバ、ニカラグアなど10カ国に及ぶ。小杉氏は「最初から仕事をくれるわけがない。まずは日本文化を宣伝し世界に広め、ファンをつくること」に注力。この戦略が開花し始めた。    小杉氏が海外展開に乗り出したのは、日本の庭園文化を世界に紹介したいとの思いとともに、海外に目を向けなければ植木屋の仕事がなくなるとの危機感も大きかった。相続税対策で土地を切り売りするケースが増え、日本庭園を維持できる個人邸は減るばかり。それに伴い植木職人の社会的な認知は低下していった。    技能五輪で金メダル  再び認知を高めるには、さらに技術力を磨くしかない。それも「やるなら世界一」と、03年に約1億3000万円を投じて静岡県熱海市に研修所を設置。2年に1回開催される技能労働者の祭典「技能五輪国際大会」での金メダル獲得を目標に掲げた。07年に静岡県沼津市で開催された第39回大会の「造園」部門で、見事に金メダルを獲得。小杉造園の名は世界に知られるようになった。アジアで唯一、伝統あるヨーロッパ造園建設業協会への加盟も認められた。    今では世界から研修生を迎え入れる。研修生は、熱海の研修所で2週間缶詰めになって日本庭園の基礎を学び、実習作業で庭造りに励む。「日本人にならないと日本庭園は造れない。だから2週間はご飯を食べ、畳に座り、温泉に入る」(小杉氏)。すでに130人が研修を終え母国に帰り、日本庭園を造った職人も出た。    電通が4月に18カ国・地域 で実施した「ジャパンブランド調査2014」によると、興味・関心のある日本の物事で、「和食」などに続き、「日本庭園」は4位。小杉氏は、技術を持つ他の企業にも「もっと海外に目を向けるべきだ」と強調。今後も庭園文化の一層の認知向上に挑む。(松岡健夫)

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