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send 料金適正化で携帯販売に異変 客足は途絶え気味…携帯各社と総務省に温度差

2016年2月12日 金曜日

  bsj1602120500001-p1   1年で最大の繁忙期を迎えた携帯電話市場が“異変”に揺れている。総務省が携帯電話事業者に販売方法の適正化を行政指導。「実質0円」端末や多額のキャッシュバック(現金還元)を目当てに短期間で事業者を変更する乗り換え客が姿を消し、販売店の客足も途絶え気味だ。しかし、多くの利用者が恩恵を受けるには至っていない。「これは第1弾」(高市早苗総務相)と今後に期待する総務省と、「検討中」と腰が重い携帯各社の温度差は大きい。   1月31日まで1台4万円ほどのキャッシュバックが行われていた東京・秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkiba。ソフトバンクの売り場責任者の川村正樹さんは「2月に入って1~4日の乗り換え客は普段の平日に比べて8、9割減った」と苦笑する。   “値上げ”や新プラン   昨年10月から総務省で始まった携帯料金引き下げ論議は業界だけでなく、利用者の関心も強かった。しかし、議論の結果を受けて総務省が12月に携帯各社に要請したさまざまな是正策に取り組む事業者の動きはゆっくりだ。  

2月までに携帯各社が具体策を打ち出したのは、割引原資の圧縮による「実質0円」端末の撤廃と、データ使用量の少ないライトユーザー向け料金プランだ。例えばNTTドコモは1月まで実質0円以下で買えた米アップルの「iPhone(アイフォーン)6s」を2月から1万800円に“値上げ”した。

  仕組みはこうだ。ドコモショップでは1月下旬、端末代金約9万3300円に対して、乗り換え割引2万1600円に加え、「月々サポート」で毎月の通信料から2年間で約8万2900円が割り引かれ、差し引きでマイナス1万1200円だった。   2月1日からは、月々サポートの割引額は据え置いたが、乗り換えは撤廃。これにより多くの販売店で端末価格が1万800円となった。これはKDDI、ソフトバンクもほぼ横並びだ。   3月から順次導入されるライトユーザー向けプランではソフトバンクとKDDIが全くの横並び。ドコモは家族向けライトユーザープランを新設した。  

高市総務相は、これらの適正化策を「あくまで第1弾」と強調、浮いた割引原資を活用した長期利用者向け割引プランの拡充に期待を示す。

  NTTの鵜浦博夫社長は5日の決算会見で、「4月の(2016年3月期)決算で追加的なメニューを出すのが私の理想だ」と述べたが、ドコモは「4月には第2弾を出せということか」(幹部)と慌てた。   利用者への還元課題   NTT調査会社BCNの道越一郎アナリストは「高額な端末購入補助金を減らしたことによる恩恵が利用者に還元されなければ、総務省の料金引き下げ論議で得したのは携帯各社だけとなる」と指摘。利用者全体に行き届く料金値下げが不可避とみる。   しかし、今のところ長期利用者向け割引など既存利用者向け料金引き下げに言及する携帯事業者は皆無。ようやく上向き始めた契約者当たり収入が再び下降線をたどれば、市場が成熟する中で収益基盤が揺らぎかねない事情があるためだ。  

携帯3社には既に長期利用者向け割引があるが、満足感は低そうだ。

  ドコモは家族向けシェアパック(10ギガバイト)で5年目から月300円、個人(2ギガバイト)では15年目から月600円の割引を受けられる程度にすぎない。   携帯事業者から回線(周波数)を借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)も「携帯各社の値下げには脅威を感じている」(ケイ・オプティコムの津田和佳グループマネージャー)と警戒する。携帯大手より割安な通信料金や格安スマホを販売して月額1000円台から利用できるMVNOの認知度がようやく高まってきたときに、携帯大手が料金を引き下げれば事業存続も危うくなりかねないからだ。   これら諸事情に配慮してなのか、総務省も「料金引き下げ」より「販売正常化」に軸足を移し、覆面調査で実質0円以下の販売を続けていないか販売店を監視する。   「短期の乗り換え利用者を優遇するための割引原資を長期利用者に還元する」という当初の目的がぼやける中、「第2弾」の方向はまだ見えてこない。    

フジサンケイビジネスアイ

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