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send 損失回避か成長性か…ブラジル進出日系の対応二分 経済不安で判断見極め

2016年6月24日 金曜日

  bsg1606240500001-p1   経済不安が続くブラジルでの事業をめぐり、日本企業の対応が分かれている。ブラジルは、新興国の雄として中長期的な経済成長が見込まれる一方、資源価格の下落などで今年の実質GDP(国内総生産)成長率は2年連続のマイナスになると予想されている。政府会計の不正操作問題に絡んでルセフ大統領が職務停止となるなど、8月のリオ五輪開催を前に政治的にも混迷の度を深める。経済回復の出口が見えない中、日本企業も目の前の損失回避を優先するか、成長性を重視するかの難しい判断を迫られている。   旭硝子が新工場建設   「中長期的なポテンシャルは大きい」   旭硝子の島村琢哉社長は、ブラジルで大型投資に踏み切る理由をそう説明する。同社は今年3月、約180億円をかけてブラジルに2カ所目の工場を新設し、2018年中に稼働させることを決めた。13年に完成した第1工場に続く大型投資で、主に建築用ガラスを生産する。   同社は世界最大のガラスメーカーだが、ブラジルのシェアは10%前後にとどまり、日本板硝子などに後れをとっている。新工場建設で高層ビルが多く、住宅が不足する有望市場への進出を加速し、ライバルを追撃したい考え。業界で台頭する中国勢が進出する前に地歩を固める狙いもあるという。

約2億人の人口を抱え、日本の20倍以上の国土を持ち、資源も豊富なブラジルの可能性に賭ける企業は少なくない。住友化学は今秋、農薬の研究開発拠点を新設する。同社は「ブラジルは世界最大の農薬市場。現地に拠点を置けば、より気候や風土に合った製品を開発できる」と説明する。

  もっとも、経済が冷え込む中で、事業再構築に踏み切る企業も少なくない。   日本板硝子は、3月までに自動車用ガラス工場を2拠点から1拠点に削減、旭硝子とは対照的な動きをみせる。「ブラジルの成長性を評価する点は他社と同じ」だが、経済悪化による販売減への対応を最優先した。   造船は市場に見切り   原油価格の低迷で、海洋資源開発に使う船の受注が望めなくなっている造船会社は、市場自体に見切りをつけつつある。IHIは4月中旬、日揮などと出資する造船所、アトランチコスルについて、約33%分の株式を全て現地の建設会社に譲渡した。国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職事件の影響で、船体工事の代金を回収できなくなっているためだ。造船では、三菱重工業も他の造船会社などと約3割を出資していた造船所、エコビックス・エンジェビックスから1月に資本を引き揚げた。   ブラジル経済の低迷は深刻だ。20日には外資系との競争に敗れた通信大手のオイが破綻。負債総額は約2兆円で、同国最大になるという。   ただ、みずほ総合研究所の西川珠子上席主任エコノミストは「オイの買い手にアラブの富豪が浮上しているように、経済が悪いと買収対象も見つかりやすい。捉え方次第でチャンスにもなる」と語る。市場環境や自社の経営状況を考慮しながら冷静に損得を見極める、経営者本来の能力が問われている。(井田通人)   ブラジルをめぐる日本企業の動き 旭硝子    建築用ガラスの新工場を建設 島津製作所  計測器の販売代理店を買収 住友化学   農薬の研究開発拠点を新設 トヨタ自動車 中南米初のエンジン工場を稼働 住友商事   バイオマス発電の原料会社に出資 新日鉄住金  持ち分法適用会社の増資引き受け 日本板硝子  自動車用ガラスの2拠点を1拠点に統合 キリンHD  ビール工場売却を検討 IHI    現地造船所への出資を引き揚げ 三菱重工業  現地造船所への出資を引き揚げ

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