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send 損保、安全技術進歩にジレンマ 事故減で保険料、ニーズ落ち込む可能性

2017年1月16日 月曜日

  bse1701160500002-p1   自動車に積んだ機器で運転時の動きに関する情報などを日常的に分析する「テレマティクス」や、自動ブレーキ、自動運転といった安全運転を支援する技術が広がっている。技術の進展によって、事故率が減少すれば、自動車保険の収支改善が進み、契約者が支払う保険料の値下げにつながる可能性も期待される。ただ、事故のリスクが劇的に下がれば、自動車保険のニーズを減らすことにもつながりかねず、損害保険業界はジレンマを抱えている。   bse1701160500002-p2   スマホで新サービス   東京海上日動火災保険は4月から、パイオニアと提携して、個人の自動車保険に付随する新サービス「ドライブエージェントパーソナル」を始める。   スマートフォンの普及に伴い安全運転をサポートするスマホ向け無料アプリが普及する中、月650円、年7480円で専用ドライブレコーダーを貸し出す異色の有料サービスだ。   特徴は、事故などの衝撃を検知した際、自動で提携する警備会社に通報し、警備会社が消防やコールセンターに連絡。運転手もレコーダーを通じて通話ができるといった特徴がある。   スマホのアプリにも画面を操作すれば、通報などの機能はあるが、事故の衝撃でスマホを見失ったりした場合でも対処が可能となる。「ドライブレコーダーとして専用端末を常に設定しているので、事故時にいちいち操作するといった手間が省ける」(担当者)という。   損害保険ジャパン日本興亜が昨年10月から始めた個人向けスマホ専用アプリ「ポータブルスマイリングロード」は、過去5年間約500万件の事故のビッグデータを解析した機能が特徴だ。事故多発地点をアラートで知らせるだけでなく、事故多発地点を回避しながら目的地まで、通常ルートと同程度の時間で案内する安全ルート案内といった機能がある。   運送業者などの事業者向けに既に展開している同様の安全運転サービス「スマイリングロード」では事故件数が、導入前後で約2割減少するといった効果が出ているという。   三井住友海上火災保険は個人向けスマホアプリ「スマ保」を配信。環境にやさしい運転かを診断する「eco安全ドライブ診断機能」や運転傾向を分析した運転適性診断、天候の急変を事前に知らせて注意喚起する運転注意アラート機能がある。   欧米では、既にテレマティクスを活用した「テレマ保険」が普及している。運転の仕方の違いで保険料が変わるのが最大の特徴で、2020年までに自動車保険の約3割がテレマ保険に切り替わるとの予測もある。   日本でも、あいおいニッセイ同和損害保険が15年3月に英国のテレマ保険大手ボックス・イノベーション・グループ(BIG)を買収。BIGのノウハウを活用し、商品開発を進めている。   テレマティクスだけでなく、自動ブレーキや自動運転といった技術面でも安全運転の取り組みが進んでいる。  

損保各社で作る損害保険料算出機構は、各社の保険料の基準となる参考純率を来年1月から9%引き下げると発表した。自動ブレーキ搭載車の事故率が低いためで、これを受け各社の保険料も引き下げられる見通し。

  車両保険値上げも   自動運転車についても東京海上が今年4月から、システムの誤作動など運転者に過失がない場合でも被害を補償することを想定した無料の特約を提供する。   ただ、事故が減ると賠償に備えるニーズが落ち込む可能性もある。少子高齢化や若者の自動車離れもあって自動車保険の市場の大幅な拡大は見通せない。   技術の進展によって自動車が精密機械化して、事故の回数は減っても1回の修理にかかる車両の費用が高騰し、車両保険代は上がるといった見方もある。   自動車保険は損保各社の主力商品だけに影響は大きい。最新技術を活用して事故を減らし、契約者の保険料の支払いを減らすのは望ましい姿といえる。   だが、日本では保険料の決め方が細かく制度化されており、「リスクの細分化は収益悪化を招きかねない」(大手損保)といった懸念の声も上がる。損保会社の取り組みが会社と契約者の双方にとってメリットのあるものにできるかが注目される。(永田岳彦)   ■損保各社の個人向けの主な安全運転支援サービス ◆東京海上日動火災保険 ・ドライブエージェントパーソナル 有料の専用端末を使用。事故時の自動通報機能やドライブレコーダー機能 ◆三井住友海上火災保険 ・スマ保 無料のスマートフォンアプリ。運転傾向を診断する運転力診断やエコドライブ度の診断機能 ◆損害保険ジャパン日本興亜 ・ポータブルスマイリングロード 無料のスマートフォンアプリ。事故多発地点を回避する「安全ルート案内」などの機能 【用語解説】テレマティクス 通信機能を備えたカーナビゲーションなどの車載端末とインターネットなどを接続する技術、それを利用したサービスの総称。テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)を組み合わせた造語。ユーザーから自動的に収集された車の位置や速度などの膨大な情報(ビッグデータ)を基に、渋滞情報などさまざまなサービスを提供できる。

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