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send 徴用工訴訟 新日鉄住金に4000万円賠償命令 韓国進出企業に重大リスク

2018年10月31日 水曜日

韓国徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた判決が確定し、記者会見する原告の李春植さん(中央)と支援者ら=30日、ソウル(共同)  

日本による朝鮮半島統治時代に「強制労働させられた」として、元徴用工の韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、韓国最高裁は30日、同社に賠償を命じた2審判決を支持して同社の上告を棄却し、原告請求の全額の計4億ウォン(約4000万円)の賠償支払いを命じる判決が確定した。韓国での戦後補償訴訟で、日本企業への賠償命令が確定したのは初めて。

 財産差し押さえも 日本政府は請求権問題が1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場。同社も同様の主張をしたが、最高裁は原告の個人請求権は協定では消滅していないとの判断を示して退けた。 安倍晋三首相は「国際法に照らし、あり得ない判断だ。毅然と対応する」と反発した。判決は日韓間の重大な外交問題に発展し、両国関係は冷却化する見通しになった。 韓国最高裁の判決を受け、日本企業の間に不安が広がっている。新日鉄住金の在韓財産が差し押さえられる可能性があるからだ。韓国では日本企業を相手取った同種の訴訟が他に14件あり、請求額は計約232億ウォンに上る。戦時下に日本に徴用された韓国人は約22万人いるとされ、新たな訴訟が起こされる恐れもある。悪化する日韓関係は重大な経営リスクとなるため、韓国への新規投資や進出を検討する企業も及び腰とならざるを得ず、影響は広範囲に及ぶ可能性がある。 新日鉄住金は30日、判決を受けて「極めて遺憾」とするコメントを発表した。今後の対応は「判決内容を精査し、日本政府の対応状況なども踏まえ、適切に対処する」とした。 新日鉄住金は、連結売上高の約3%を韓国向けが占めるが、韓国国内には製鉄所などの目立った資産を保有していない。このため仮に差し押さえが実行されたとしても、経営への影響は少ないとみられる。

ただ、三菱重工業や不二越、日立造船などが同種の訴訟を抱える。各社は日韓請求権協定で完全に解決済みとする日本政府に同調しており、賠償金の支払いに応じる選択肢は考えられない。だが支払わなければ韓国での資産は差し押さえられ、ビジネス継続は難しくなる。

各社とも係争中などを理由に判決へのコメントを控えたが、自社の裁判の行方を左右するだけに判決内容の精査を急ぐ考えだ。不二越は「当社の正当性を主張する方針に変更はない」と説明した。 また、判決を契機とする韓国世論の動向は、現地での企業活動の障害にもなりかねない。 新たな投資は様子見 ファーストリテイリングは衣料品店「ユニクロ」を積極的に展開し、韓国での年間売上高は約1400億円に上る。東京商工リサーチによると、韓国には日本企業393社が進出しており、計715拠点があり、このうち製造業は253拠点を占める。韓国からは昨年、714万人が日本を訪れ、国別の訪日客数は中国に次いで2位。今年も1~9月は前年同期と比べ約9%増えており、日本に足が遠のく事態になれば国内消費への影響は無視できない。 日本総合研究所の向山英彦上席主任研究員は「進出済みの日本企業が撤退することはないが、新たな投資については、様子を見るのではないか」と予測する。(ソウル 桜井紀雄、井田通人)  

フジサンケイビジネスアイ

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