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send 建機改善兆しも残る疑心暗鬼 中国需要底打ち? 米新政権のかじ取りは…

2016年11月21日 月曜日

  bsc1611210500003-p1   長い不振にあえいできた建設機械メーカーの業績に、改善の兆しが見え始めている。業績低迷の「元凶」となってきた中国の需要が底を打ちつつあるためだ。実際、直近の販売データなどは底打ちを裏付ける。もっとも、各社は過去に期待を裏切られた経緯もあり、慎重な見方を変えていない。しかも、ここにきて市場を攪乱(かくらん)しかねない新たな「リスク」が浮上。外国為替市場での円安傾向など明るい材料もあるが、まだまだ楽観はできない状況だ。   9月中間の売上高増   「この(改善)トレンドがずっと続いていることは勇気づけられる」   コマツの大橋徹二社長は、10月29日に行った2016年9月中間連結決算の説明会で、中国市場についてそう言及した。   同社がその前日に発表した中間決算は、円高進行などで収益が低下し、売上高が前年同期比10.8%減の7961億円、最終利益が42.4%減の375億円と減収減益に終わった。中間期としては、3年連続の最終減益になる。   ただ、明るい材料もある。主力の建設機械・車両事業は、中国売上高が前年同期の317億円から361億円に増えた。中国の油圧ショベル販売は、今年5月から6カ月連続で前年実績を上回り、直近の10月は108%増と2倍以上に増えた。   中国市場の改善は、他のメーカーも肌で感じている。  

日立建機は、中間期の中国売上高が前年同期比で6%減ったが、7~9月期に限れば10%増とむしろ増えた。建機事業の中間期の経常損益が5億円の赤字に終わった神戸製鋼所の梅原尚人副社長も「(中国需要は)底は打ったという感じがする」と話す。

  中国は、リーマン・ショック後に政府が実施した4兆元の景気対策が建機市場に特需を生んだ後、10年をピークに需要が急減。13年にいったん持ち直したが、翌年再び減少に転じた。コマツの建機・車両事業の中国売上高は、10年度の5分の1以下まで落ち込んでいる。このため各社は事業の再構築に追われてきた。最近も、日立建機が10月27日に合肥工場(安徽省)の第2工場を閉鎖すると発表したばかりだ。   海外メーカー製油圧ショベルの中国需要は、直近で年3万台程度とみられる。これに対し、稼働中の油圧ショベルは50万~60万台といわれる。寿命が10年とすると、年5万~6万台の更新需要が見込めるはずで、もう2万~3万台は増えてもおかしくない。だが、神鋼の梅原副社長は「今の(需要の)戻りは景気刺激策が効いている気がする」とも語る。中国政府の対応次第で刺激策の効果が剥落し、過去の二の舞に陥る可能性も考えられる。   中国の建機需要は、多くが3月と4月に集中している。コマツの大橋社長は「他の月がいいからといって現時点では何ともいえない。来年の春節(商戦)を待ちたい」と慎重だ。  

一方、ここにきて気がかりな材料も出てきた。米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏の政策のかじ取りだ。

  米製造業に肩入れ   トランプ氏は、インフラ投資を経済政策の柱に据えている。大統領選勝利翌日の11日、コマツ株は、円安の追い風に米国で建機需要が拡大するとの思惑が加わり、年初来高値をつけた。   しかし、トランプ氏は選挙運動中、「日本の為替操作でコマツに(米建機大手の)キャタピラーが痛めつけられている」などと、雇用を意識して米製造業に“肩入れ”する姿勢も示してきた。   東海東京調査センターの大平(おおだいら)光行シニアアナリストは「(トランプ次期大統領は建機業界にとって)基本的にはポジティブにみているが、保護主義が高じて日系メーカー排除に向かう可能性もある」と話す。   トランプ氏の大統領就任は来年1月。建機市場の回復は本物になるのか、米中の先行きが見え始める来春ごろまで日本メーカーの疑心暗鬼はなかなか拭えそうにない。(井田通人)

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